Wi-Biz通信Vol.19　【ビジネス＆パートナーズ】 | 一般社団法人無線LANビジネス推進連絡会【WiBiz（ワイビズ）】 - メルマガ一般社団法人無線LANビジネス推進連絡会【WiBiz（ワイビズ）】

シャープ　IoT通信事業本部　スマートネットワーク推進部　部長　多伊良　教文

当社は無線バックホールに対応し多段ホップによるネットワーク構成を可能とする無線LANアクセスポイント「QX-C300」を、昨年、市場投入いたしました。

当社ではデバイス事業や複写機、デジタルサイネージ分野等のいわゆるB2B商品に関して特長ある商品・システムを世に送り出しており、新たに携帯電話・スマートフォン等の通信端末の開発にかかわる技術を活かし、B2B市場に向けたアクセスポイント事業に取り組んでおります。

QX-C300シリーズは、無線バックホール方式の採用により、ネットワーク配線を無線化することで、屋外でも設置自由度の高い無線LAN環境の構築を実現します。

既に、キャンプ場や遊園地などの屋外レジャー施設や工場屋外部、リゾートホテル、屋外試験施設などでご採用いただいており、他にも多くのお問い合わせをいただいております。
Wi-Fi環境の整備・活用を、屋外エリアでもなお一層拡げるものとしてお役立ていただければ幸いです。

複数のアクセスポイントを設置してWi-Fiのサービスエリアを構築しようとする場合、通常、各アクセスポイントまで有線ケーブルを配線しますが、QX-300では、アクセスポイント間を無線で、ツリー状に接続することでLANケーブルの配線が不要となります。（図１)

図１　無線バックホール接続

従来、無線バックホール接続は、一般的に多段でホップさせると、スループットがホップ毎に大きく低下するという性質が指摘されていました。

当社のQX-C300では、

により、バックホールのUp-Link、Down-Link、アクセスポイントで、それぞれに独立したチャンネルでの接続を効率良く行うことを可能とし、多段ホップでのスループット低下という課題を、大幅に改善しています。（図２、図３）

*バックホールとして4.9GHzが利用できるモデル（QX-C300J/QX-C300JH）もラインナップしています。
4.9GHz帯の利用には、無線局免許が不要な登録局に該当するため、登録申請が必要となります。また、その運用には、第三級陸上特殊無線技士以上の免許が必要となります。

図２　マルチチャンネル構成例

図３　無線バックホールのスループット特性

ネットワークを構成する特定のQX-C300に万一異常が発生した場合には、別の正常なアクセスポイントへ自動リルートすることで、ネットワークの切断を回避する機能を装備しています。（図４）

図４　障害発生時のリルート

無線LANソフトウエアコントローラーにより、ネットワーク構成や稼働状況の可視化による、稼働管理に対応できます。（クラウド版とオンプレミス版を用意しています）
クラウドサービスをご利用いただくことで、場所を選ばずPCから管理が可能です。

また、アクセスポイントの異常発生時（当社指定項目）には、管理者へメールでお知らせするリモート監視サービスの提供も行っております。（クラウド版のみ）

QX-300のバックホール用のアンテナは外付けの仕様としており、指向性、無指向性、長距離用の３種類を準備しており、設置環境に合わせて選択できるようにしています。
(アクセスポイント用のアンテナは、本体内蔵の仕様です。)

また、風雨にさらされる屋外での設置や多くの粉塵が飛ぶ現場での利用に対応する、IP66の防塵、防水性能を持ち、-20℃～50℃の動作温度性能を持っています。

公園や遊園地などの屋外レジャー施設やゴルフ場、スキー場などのスポーツ施設、また、工事現場、イベント会場、駐車場などで有線ネットワークの敷設が困難なところでも、この特長を活かして、無線LAN環境を構築することへの可能性が拡がります。

実際に、

等々のご要望をお聞きしており、柔軟な敷設方法や周辺環境の変化による移設や増設にも対応できるネットワークソリューションが大きく注目されつつあると考えています。

皆様方が取り組まれるネットワークシステムの要素として、是非ご活用いただければ幸甚です。
ご関心がございましたら、何なりとお問い合わせください。

■連絡先
シャープスマートネットワークサポート
電話　：050-5893-9212（月～金　9：30～17：30(祝日及び弊社休業日を除く)）
メール：snw.sc@sharp.co.jp

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