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固定無線5G技術を持つStarryがCESで話題に
岩本賢二
Starryという会社はご存じでしょうか?
今月ラスベガスで開催されているCES(家電見本市)で固定無線5G技術の会社Starryが話題になっています。
5G先行技術の導入を加速
Starryは、マンション向けにWi-Fiアクセスサービスを提供する固定無線ブロードバンドISPです。
2017年12月現在、マンションあたり月額50ドルでボストンの限られた地区のアパートに商用のサービスを提供しています。
Starryのシステムは38.2GHzと38.6GHzの帯域で動作し、Starry Beamという基地局を個々の建物に設置したStarry Pointsという受信機に接続します。
各基地局は見通しで半径1.5kmをカバーしており、建物や窓を抜けて通信することはできません。
そこでStarryはMulti-User MIMOフェイズドアレイアンテナを利用し反射波で通信を確保することに成功しています。ビルの各部屋にはStarry独自のWi-Fiルータを設置して、アクセス利用を行います。
Starryのルーター製品
CESにおいて、Starryは固定無線5G技術の導入を加速するためにMarvell社と協力して、固定無線アクセス技術を開発し、それを他の会社が利用できるように公開すると発表しました。
この提携により、Starry社が持つミリ波の技術(この集積回路とスマートアンテナ技術は5Gに向けたバックホールの標準化となり得る先進技術)とMarvellが持つ802.11ax技術(既に5Gの標準として含まれたWi-Fiのアクセス技術)に関する専門技術が融合することになりました。
Starryが開発しているポイントトゥマルチポイント基地局
Starry社のプレスリリースによると、この発表では2つの要素技術に焦点を当てています。
一つ目が、Starryのミリ波ポイントトゥマルチポイントの固定ブロードバンド無線機の設計図とリファレンスデザインです。このデザインにはStarryのミリ波集積回路、スマートアンテナ、およびMarvellの802.11axチップセットが含まれています。
Starryはこの技術を国内外の市場で広く利用できるように公開することで、固定無線プロバイダが簡単にネットワークを構築できるようになり、ユビキタスなブロードバンドアクセスの実現が可能になることを期待しています。新規参入企業にとってはエンドトゥエンドのワイヤレスブロードバンドアクセスサービスが容易に構築できるようになるので朗報といえます。
二つ目が基地局と受信機ならびに家庭内のWi-Fiルータに至るネットワークのすべてのノードを管理し、リアルタイムでネットワークパフォーマンスを確認できるクラウドベースのプラットフォームを利用可能にすることを謳っていることです。
Starryの技術を採用する企業や既存のISPがこのネットワーク管理ソフトウェアを利用できるようになります。
これらの二つのテクノロジを他社が利用できるようにすることで、Starry社は彼らの技術を5G標準技術として広く普及させてしまうことが出来るようになります。
ところで、この会社の創業社長はChaitanya Kanojia氏は、以前米国で話題になったAereo社の創業社長です。
皆さんAereo社を覚えていますか?Aereo社はテレビ放送波を受信してそれをインターネット利用者向けに流すというサービスを提供していましたが、2014年に著作権法違反と最高裁で判断され、その後倒産し話題になった会社です。
非常に話題性のある人物なので、今回のStarryの動向が注目されているわけですが、単なるギャンブルとなるか、確固たる市場を築き上げる事が出来るのか、昨年12月までに$63,000,000もの資金を調達しているだけに、今後の動向が気になります。
Starryの創業CEO Chaitanya Kanojia氏
参考並びに引用
FieceWireless https://goo.gl/FQooSo
FieceWireless https://goo.gl/x6up9p
Wiki https://en.wikipedia.org/wiki/Aereo
Wiki https://en.wikipedia.org/wiki/Starry_Internet
Starry https://starry.com/
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