技術情報
想像を超えたVRの進化、その魅力!
技術・調査委員会 松村直哉
先月、Amazon GOについて遅ればせながら紹介しました。
複数台のカメラで店内のお客の動きを監視して何を買ったかをチェックしているわけですが、この画像認識技術はいったいどうなっているのか?
また同じ場所にある同じ商品ではなく、複数の場所にある複数の商品になるので、これには膨大なコンピュータ処理が行われているはずです。
同様にカメラで人間の動きを検知して、新しいアトラクションを提供している場所がありました。
昨年夏に開催されていた「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭りSUMMER STATION」のイベントの中で開催されていた、空間移動型VR「ABAL:DINOSAUR(アバル:ダイナソー)」です。このVRアトラクションは恐竜の世界を体験するVRで何人かの仲間で参加することができるというものです。
詳細は以下を参照してください。
http://japanese.engadget.com/2017/08/10/vr-vr-vr/
これは、リアルタイム性が高いアトラクションのため、
- 3Dで見えるベースの映像データについてはスマートフォン側のメモリにバッファリング
- 人間が動いた情報をセンサーカメラから吸い上げ、アトラクションに参加している複数の人の顔と手と足の位置情報を集約した上でリアルタイムに個々のスマートフォン(HMD)に送信
- その上でアトラクションに参加している人の位置を正確に3D映像として表現
といった流れと推測されます。
3D映像をリアルタイムに伝送していたのでは現状のWi-Fiのスピードとスマートフォンからの6軸センサーからの情報(どの方向に向いているか?)、複数の人の顔、手、足の位置情報すべてを合成し、リアルタイムに伝送するのは現状のスマートフォンの能力では厳しいのではと思われます。
と、あくまでも元技術屋の推測の域を出ないところですが、実際にこのアトラクションの動きをセンシングしているのはVICONという会社が提供しているモーションキャプチャー技術のようです。
VICONは1984年に英国のオックスフォード大学に設立されました。30年以上も前からモーションキャプチャー技術に携わってきたことになります。
https://www.vicon.com/vicon/about
Wi-Fiが誕生する前に既にこのような取り組みをしていたことになります。その頃のスーパーコンピューター相当の処理を可能としたスマートフォンがそれもWi-Fiのようなワイヤレス通信や6軸のセンサーを搭載したことでモーションキャプチャーという技術を実際に体感できるアトラクションを可能にしたのです。
https://www.vicon.com/motion-capture/vicon-reality
この恐竜アトラクションは既に終了していました。ABAL社が企画しており現在も体験できるものはと探してみると「メガスター・ジャーニー」というイベントが東京タワーで開催されていました。
高速エレベーターに乗って宇宙空間に飛び出すというものです。複数人で新しい世界観を楽しめるようですが、家族で行くとしても既に二人の息子は高校生と大学生なので、一緒に宇宙旅行を体験しに行く人を探すことから始めるのは一苦労です。
ABAL
:https://www.abal.jp/
メガスター・ジャーニー
:http://megastarjourney.com/
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