イベント報告
総務省 「2020年に向けたWi-F整備・利活用推進会議 in 九州」に参加
NECネッツエスアイ 菊池 真也
2月15日 福岡電気ビル みらいホールで、「2020年に向けたWi-F整備・利活用推進会議 in 九州」が開催され、無線LANビジネス推進連絡会会員企業も参加しました。
2月1日に仙台で開催された「2020年に向けたWi-F整備・利活用推進会議 in 東北」と同じく、総務省の実施する「公衆無線LAN環境整備支援事業」の展開に向けた、制度・事例・技術の紹介を中心に盛り上がりました。
吉岡てつを大臣官房審議官が基調講演
講演では、総務省の吉岡てつを大臣官房審議官の基調講演に引き続き、教育、観光、そして小規模自治体の3部門の取り組み紹介が行われ、最後はジャーナリストの堀潤氏をモデレータとして、各講演の講演者が一堂に会してパネルディスカッションが行われました。
また、ロビーには技術展示としてWi-Biz会員13社がブースを出展し、観光、教育、セキュリティ等の各分野ごとに、各社の技術紹介が行われました。この中で弊社もセキュリティ分野で、Wi-Fiをセキュアに業務活用する技術である新サービス「LTE over Wi-Fiネットワーク LTE-X」を出展、ご紹介させて頂きました。
なお、当日は連日の寒さが少し和らぐ好天に恵まれ、講演会場は超満員となりました。開催地の九州はもちろん、中国・四国など、広く西日本各地の来場者の方が見られ、とても盛況でした。
主要3分野の取り組みを紹介
ここでは、教育、観光、自治体の3部門の講演を紹介します。
まず、教育分野では、つくば市教育局 総合教育研究所 所長 毛利靖 氏が講演を行いました。
「21世紀型スキルを育むICT教育で みんなが住みたくなるまち -無線LAN・ネットワークの活用-」と題して、つくば市でわれているICT教育推進プログラムの状況と、その中でWi-Fiが果たしている役割についてお話がありました。
2020年以降の大学入試改革に向け、アクティブラーニングや問題解決学習を実践するために、産官学が連携したICT教育が実践されている模様が、実際の模様を交えて紹介されました。
次いで、観光分野では、福岡県福岡市 市長室 広報戦略室 広報課 広報課長 白木 秀一 氏が「福岡市無料公衆無線LANサービス『Fukuoka City Wi-Fi』の取り組み」と題して、今回の会議開催地の福岡市が取り組んでいる「Fukuoka City Wi-Fi」について、背景、サービス概要、利用状況を紹介しました。
さらに、自動認証や他地域との認証連携等によるサービスの改善・向上や、Wi-Fiインフラを使っコンテンツ展開やサイネージ連携、さらに利用状況のビッグデータ分析など、今後に向けた意欲的な展開の数々についても講演されました。
三番目の自治体分野では、新潟県魚沼市 副市長 東川 玲 氏が「小規模自治体におけるICT政策とWi-Fi利活用施策のご紹介」と題して、魚沼市における地域イントラ(行政ネットワーク)、ブロードバンド、学校における無線LANの整備について、さらに無線LANを利活用した情報教育の目標と具体的な方向性・取組方策について紹介を行われました。
Wi-Fi整備・利活用についてパネルディスカッション
モデレータとして登場した堀氏は、一昨年の熊本地震の折に、被災地に取材に入る中で、避難所でのWi-Fiは不可欠なインフラと感じたエピソードを披露しました。
そして、Wi-Fiの拠点数が充実した次の段階として、各拠点を支えるバックボーンなど、利用者が増えても快適に使える仕組みづくりといった課題が議論されました。
テレビでお馴染みのテンポの良い進行で、講演で紹介された事例の裏側にまで話が及び、特に福岡市の事業を結果的に促進したマスコミの報道などのエピソードが言及されると、会場から驚きの声があがりました。
後半は、マイクを持って会場内を練り歩き、会場も巻き込んでの議論となり、「Wi-Fiを足回りにした新しいビジネスモデルの創出が重要なのではないか」という意見が会場から飛び出すと、壇上の皆様の深い同意を得ていました。
各分野でのWi-Fiの展開を論じると、容易にICT全般の未来に話が及んでしまう、というシーンが何度も見られ、Wi-F整備・利活用が秘める様々な可能性を感じたパネルディスカッションでした。
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