対談
日本経済新聞 関口和一編集委員 × 無線LANビジネス推進連絡会 小林忠男会長
IoT革命で日本の産業のリアルな変革が問われる
Wi-Fiの新たな役割と飛躍のポイント
「デジタルトランスフォーメーション」の波が押し寄せるなかで、日本は産業・社会のデジタル革新をどのように進めていくのか。また、そうした取り組みのなかで、Wi-Fiの新たな役割と課題は何か。
IoT、AI、ビッグデータ、5G、Wi-Fiのビジネスの加速と連携について、小林忠男無線LANビジネス推進連絡会会長が関口和一日本経済新聞編集委員と語り合った。
インターネットの技術がリアルの世界に入ってきた
――まず、前半のテーマである「デジタルトランスフォーメーション」とも「デジタル経営革新」とも言われる「デジタル」の潮流について、関口さんから最近の動向の解説をお願いします。
関口 「第4次産業革命」とか「インダストリー4.0」とかいわれていますが、これは産業革命の蒸気機関から数えると「第4次」になるからですが、通信の世界、特に直近のインターネットの世界でいうと、私は2つ大きな山があるのではないかと思っています。
1つ目が「インターネット革命」、今は「IoT革命」ではないかと思っています。
最初の革命はアメリカから始まったインターネットを中心にメデイアとかバンキングとかeコマースとか、どっちかというとサイバースペースの空間の中で、いろんなビジネスモデルを大きく変えてきた。そういう意味でインターネット革命といわれています。
今、起きているのは二つ目の革命で、インターネットの技術がリアルの世界に入ってきたということ、「Internet of Things(IoT)」あるいは「Internet of Everything(IoE)」と言われるように、リアルの現実空間のものがインターネットにつながることによって、現実の世界そのものが大胆に変革しているのではないかということです。
その例が、自動運転ですとか、ドローンとか、3Dプリンターとか、フィンテックもそうでしょうし、現実の世界を変えているわけです。フィンテックはサイバースペースにおける変革という言い方もできますけれども、ATMがいらなくなるという意味では現実そのものの変化ですよね。
――IoTはサイバースペースに留まらない、現実そのものの変革という点でインパクトが大きくなるということですね。
関口 そうです。私は、「デジタル3点セット」と言っていますが、IoT革命を推進する原動力は3つありまして、1つがAI、2つ目がIoT、3つ目がビッグデータです。
IoTが進んで、いろんなものがインターネットにつながると、そこからたくさんのデータが集まってきます。それをビッグデータ分析することによって新しい知見とかが得られる。それが人工知能の進展を促すということで、この3つが数珠つなぎというかスパイラル状に連携し合って、急激に進化してきています。
これを「頭脳部分」とするならば、他方の「足回り」にあたるのがロボティクスです。自動運転とか、ドローンもそうですが、さまざまなロボット技術が出てきたことによって、頭脳部分と足回りが結び付いて、現実空間を大きく変えています。
その際にデータを集め、それを送るためには当然、通信手段が大事なわけで、IoT革命が起きた1つの大きな要素は、センサー技術と並んで通信技術の飛躍的な発展があったからではないでしょうか。
具体的にいうと、高速インターネット、ワイヤレスの通信技術、クラウド技術、最近ではLPWA(Low-Power Wide-Area Network)が出てきたことで、頭脳部分と足回りと、それをつなぐ通信手段、この3つが重なって今のIoT革命が起きていると思います。今、期待されている5Gも、ここに位置づけられます。
――日本の産業社会にとってのインパクトは大きいと思いますが、実際の日本の企業の取り組みはどういう段階でしょうか。
関口 私は、IoT革命は「第2次インターネット革命」と言ってもいいと思っていますが、これは日本にとって大きなチャンスだと思うわけです。というのは、「第1次インターネット革命」は、申し上げましたようにサイバースペースの中の話ですから、ソフトウェアとか、サービスとか、そこで完結しているわけです。
つまりアメリカの企業だけで出来てしまう。フェイスブック、グーグルが最たるものです。
ところが、IoTになってくるとフィジカルの世界が入ってきますから、ものづくり技術が必要になってくるわけです。アメリカは工場をどんどん海外に出してしまい、あまり残っていない。本当の意味のアメリカの製造業というのは意外に少ないのです。
そこで、今度はIoT革命では日本が頑張れるのではないかと思っています。ただ、日本の動きは少し遅過ぎるというのが私の印象というか実感です。デジタル技術を駆使したものづくりは、今や日本だけではなく、韓国も、中国も、ドイツも、フランスも力を入れています。IoT革命ということで、新たな扉が開いたのですが、そこでのリーダーシップ争いで遅れてきているのではないかと危惧しています。
日本経済新聞社 関口編集委員
日本の産業の強さは何か、課題は何か
――日本の取り組みの遅れをどう取り戻せばよいでしょうか。
関口 IoT革命とは、インターネットの技術が入ることによってリアルの世界が劇的に変わるわけです。変わるということは危険も伴うわけで、自動運転、ドローン、3Dプリンター……、どれも共通して危なっかしいのです。
日本の大企業は何かトラブルが起きたときに、1カ所で起きた問題が全体の企業ブランドのイメージに影響が出るというので慎重です。その間隙を縫ってドローンではDJIだとか、3Dプリンターだと3D Systemsだとか、中国系やアメリカ系のベンチャーがどんどん進出しています。
自動運転では、フランスは自動運転小型バスをNAVYA(ナビヤ)とか、イージーマイルといったベンチャーがどんどん作って実用化しています。自動運転、ドローン、3Dプリンター、どれを取っても大きな産業になり得る性質のものですが、そこに日本が出ていけていないというのは大きな問題ではないかと思います。
――日本では、官も民も慎重でとかく規制の方向から入りがちですね。
関口 日本は規制が大好きだし、企業も特に大企業になればなるほど規制やルールを作ってくれないと動けないという体質があります。ドローンも官邸の屋上に落下した事件のせいもあり、夜間飛行禁止、市街地飛行禁止、頭上飛行禁止、目視外飛行禁止など、すぐ規制する法律を作ってしまった。
技術というのはエクスポネンシャルに伸びていくわけですから、プリミティブな段階で規制を掛けるというのは、これは決していいことではないわけです。今のドローンは確かに落ちるかもしれないし、人間が操作しないと動かないけど、もうちょっとしたらドローンが自律飛行で遠くまで行けるようになります。センサーを積んでいるから夜中も飛べるわけです。人間が目視でやるより、よっぽど安全なわけですから。そういうチャンスを塞いでいるのではないでしょうか。
日本はAIスピーカーの導入が3年くらい遅れました。何で遅れたかというと、「技適」が通っていないから日本に持ってきて実験ができなかった。実験ができないということはアプリが出てこない。アプリがないと使えないから消費者も欲しいと思わない。誰も技適を取りに行かなかったから、結局、日本には無い商品になってしまったのです。消費者は存在すら知らなかった。
こうした悪循環があったから、AIスピーカーは日本で売れなかった。
ようやく最近になって、「AIスピーカーは日本でもやらないとまずいんじゃないの」という話になってきたのですけれども。そういう規制が機動的な技術革新を止めているという問題もあるのです。
――日本のコア企業はしっかり取り組まないと逆に日本の沈没が始まっていくという構造になっていますね。
関口 そう思います。ただ、実際には日本の技術に対する需要は高くて、全部日本はだめかというと、もちろんそうではないわけです。
昨年11月にシリコンバレーに行き、現地のベンチャー企業と日本の大企業とのマッチングを取材する機会がありましたが、やはり日本企業の技術に対する信頼性は、たとえば中国企業などと比べると圧倒的に高いわけです。
コマツは建機で掘削した後、ドローンを使って空中撮影して、それで3Dのマップに落とし込むプロジェクトをスカイキャッチというベンチャーとやっていますが、とても上手くいっています。日本企業とアメリカのスタートアップとの連携が始まっているのです。
――その場合、大事なのは何でしょうか。
関口 よくいわれる縦割り主義の排除です。自動運転をとってみても、トヨタはトヨタで全部自分でやろうとするし、日産はDeNAと組んで自動運転をやろうとしていますけど、いずれも自前主義で、少なくともライバルや同業者とは組まないわけです。
アナログの技術はすり合わせ技術ですから切磋琢磨して頑張ればいいものができましたが、デジタルは、1ビットでも違ったらつながらないのです。技術には競争領域と協調領域があるとよくいいますが、デジタルの世界は協調領域が結構大きいのです。
例えばビッグデータ分析をするにしても、データがないと分析できないわけですから、お互いデータを持ち寄って共用して協調すべきところを、そのレイヤーでも競争してしまうというのが日本企業の性というか、悪いところですね。
関口編集委員と小林会長
これからがWi-Fiの本領発揮の時
――ここから後半のテーマですが、こうした状況のなかで、日本におけるWi-Fiビジネスも大きな転換点というか飛躍のポイントに立っているのではないかと思います。現状と展望について、小林会長と関口さんで話して下さい。
関口 Wi-Fiについては日本は後進国だったわけです。アメリカはPCでインターネットにつないでいたから、有線LANの延長で無線LANにつなぐのが自然だった。無線LANをまず家で使っていた。アンライセンスのスペクトラムですから機器を入れれば誰でも使えたわけです。そのうち屋外でもWi-Fiを使いたいという人が出てきたので、アグリゲーターが出てきて屋外でも使えるようにしたわけです。
日本は携帯電話のインターネット接続では世界に先んじたんけれども、PCをインターネットにつなぐ文化がなかったので、Wi-Fiがないがしろにされてきました。
日本でWi-Fiが普及するようになった理由は、まずはソフトバンクみたいに電波をもらえないところが、オフロード対策としてWi-Fiを入れるという、どちらかというと補完的な理由から入ってきているわけです。
ドコモをはじめ携帯電話キャリアは、スマートフォンの登場を受け、データトラヒックのオフロード対策としてWi-Fiのネットワークを整備しました。
この間、小林さんが必死に頑張って、今日の日本のWi-Fiネットワークの基盤を作ってきた。通信事業者の公衆Wi-Fiサービスも一巡し、最近は街中のスポットや、エリアオーナーWi-Fiも増え、自治体などの接続サービスも拡充しています。
小林 私たちがゼロから始めたころに比べたら、信じられないぐらいWi-Fiが基本的な通信インフラになったのではないかと思います。特に、最近は、地下鉄もまんべんなく使えますし、飛行機も充実してきています。その意味では、一段落しているともいえます。
その代わり、インフラとしては不十分なところがあちこちで見られるようになっています。幾つかありますが、この前は、ある中年女性から「駅前に行くといっぱいWi-Fiが出てきて困る、LTEのほうがいいのに変にWi-Fiにつながってしまう。それは困るから家を出る時にWi-Fiを切り、会社に行ったらつなぎ、スタバに行ったらまたつなぐんだ」と言われました。
それは、Wi-Fiの利用としては本来の正しい使い方ではなく、本来はスマートフォンのWi-Fiを絶えずオンにしておき、スムーズにWi-FiとLTEが自動的に切り替わることで、コスト的にも使い勝手的にもユーザーに負担を掛けないネットワーク構築が必要なのです。
関口 それは私もよく目にします。高速のLTEが出てきたため、場所によってはLTEのほうが速いという状況で、いちいち屋外の公衆無線LANサービスに手動で切り替えることはしないという若い人たちも出てきたりしています。もちろん、パケット代に敏感な若者は、Wi-FiとLTEをうまく使い分けていますが。
それに公衆無線LANの接続ではLINEのアプリが通りにくかったり、そもそもLINEを通さなかったりするサービスもあるので、公衆無線LANが敬遠される理由にもなっています。キラーアプリがすいすい通らないなら、Wi-Fiを使いませんよね。
小林 最近のアメリカのデータを見ると、AT&T、ベライゾン、スプリント、Tモバイルどのキャリアを見ても、データ利用の70~80%はWi-Fi経由でありLTEは20~30%にしかすぎません。
ユーザーのデータ利用が増えれば増えるほどWi-Fiが比例して増えており、Wi-Fiなしにはアメリカでは生活できないといっても過言ではありません。
参照:FierceWireless
日本でも同様に、端末一台あたりの情報量は急激に伸びていますから、LTEも伸びていますが、Wi-Fiはそれに比例して大きく伸びていることは事実です。ただ、ユーザーのWi-Fi利用意向に比べてWi-Fiネットワークそのものが十分こたえきれなくなっているという局面にあるのではないかと危惧しています。
関口 日本のWi-Fiはいわば応急措置として普及した側面があり、本当の意味でのWi-Fiの普及・活用というのを日本はあまりやってこなかった。ネットワークは一応、整備され、一巡したわけですから、今、まさに本当にWi-Fiの特徴を生かして、生活やビジネスなどさまざまな場面に使っていくという、そういう局面なのではないかと思います。
小林 まったくその通りです。私はNTTBPの社長として、キャリアWi-Fiというのをオフロード用で作ってきたんだけど、今はキャリアWi-FiとフリーWi-Fiが混在している状況です。
そこも外国人からみれば「何でこんなにたくさんアンテナマークが見えて、しかもつながらないんだ?」となるわけです。その辺をもう一度ちゃんと原点に返って考え直さないとだめだと思うんです。
関口 それは本当にそうですね。
小林 私は今は個社を離れていますから、それぞれの無線LAN事業者に指図する立場にはないです。しかし、認証のところはお客様目線で、お客様に気持ち良く使ってもらうためには真剣に取り組まなくてはならないと考えています。
関口 私はWi-Fiは重要な技術なので、今後も整備は絶対やらなければいけないと思うんですけど、Wi-Fiと5Gをうまく連携して、ネットワークの特性に合わせたサービスを提供していく必要があると考えています。
その中には放送も入ってくるべきだと思います。例えば一斉同報的なスポーツ観戦とかは放送でやるのが一番コストが安いわけですから。そういう形でWi-Fiとセルラーと放送とが、シームレスにつながってくるような技術を日本はやるべきじゃないかなと思っています。そこで先んじれば、海外にそのノウハウを売れるかもしれないと思います。
5Gはセルラー技術の延長線で語られていますが、いわゆる第4世代まではセルラー技術の延長だと思うのですが、5Gとの間には断層があって、セルラーだけではない広がりがあります。
Wi-Fiも含めて、さまざまな通信手段がお互いに連携し合って、それで新しい通信環境を提供するのが5Gではないかと考えています。そこにWi-Fiの技術が今後も生かされていくと思っています。
Wi-Fiの課題にどう取り組むか
――Wi-Fiの今後の展開では、地方創生での取り組みが欠かせません。
関口 地方によっては結構うまくインバウンドとか商店街の活性化とかにWi-Fiを活用しています。福岡市の高島市長などは地元の百貨店などいろいろ仲間を募って広域で利用できるWi-Fiネットワークを作っています。非常にいい試みだと思います。
私も総務省の「ICT地域活性化大賞」の審査員をやっていますが、観光客相手にWi-Fiを入れないと一人前の自治体じゃないと思われるのが嫌だから入れているというところもありますね。
必ずしもユーザーをしっかり見ているわけではない。横並び意識から導入している面があります。このあたりが課題ですね。
小林 地方のWi-Fiは充実してきています。キャリアがオフロードで駅とか空港とかコンビニとか、基地局をたくさん打っています。Wi-Fiのビジネスは地方に移っていて、無線LANビジネス推進連絡会の参加メーカー、販売店もビジネス活性化に手応えを感じています。
自治体、学校、病院はもちろん、小さい店舗などでも引き合いがあって、堅調に伸びています。新しいインフラとしてのWi-Fiネットワークへの需要は旺盛とみていいです。
関口 Wi-Fiを置くとお客さんが集まってくるというのはいいのですが、その後のユーザー視点でのフォローはちゃんとできているのですか。
小林 今やWi-Fiのないホテルはホテルではないという感覚で、とりあえず顧客対応でWi-Fiは設置しています。ともかくつなげましょうということは出来ています。しかし、情報検索して、あそこに行ったら、こんなものが買えます、こんなことをやっていますという情報提供まではまだまだ手が回っていない。
ビッグデータを取ったり、イベント情報を提供したりするのも付加価値ですが、ベンダーもエリアオーナーもまだそういうところまで辿り付けていないところが多い。
関口 日本人の場合ははじめからみんな携帯電話サービスに加入していましたから、Wi-Fiはまさにオフロード用になっています。これからビジネスモデルを考えていくときに、外国人向けと国内向けとサービスを整理しないといけませんね。
外国人はとにかくつながればいい、母国にいる自分の友達と連絡が取れればいいというニーズだと思います。しかし、日本人相手の場合はそうではなくて、リピーターとして何回も来る人に対して、何かを提案・提示して、それがクーポンでも何でもいいですけど、お金につながるというか、ユーザーも便益を感じるし、店側も集客につながるような仕組みが必要ですね。
今は、スーパーの店頭などでもWi-Fiにつながると、クーポンなどの情報がもらえるサービスがありますね。
――セキュリティも、今後のWi-Fiの発展にとっては重要ですね。
関口 私もパスワードを探すのがいつも大変です。いろんなビルに行ってゲスト用Wi-Fiがあるのですが、どこにパスワードが書いてあるのか分からない。「パスワード設定が面倒くさいからWi-Fiは使わない」という人もいるわけです。利用者の使い勝手を考えつつ、セキュリティをどうやって担保するかが極めて重要です。公衆Wi-Fiがサイバー攻撃の踏み台とかに使われても困りますから。
小林 日本ではWi-Fiはモバイルに比べるとまだまだニッチな存在です。誰かが本気になって今のWi-Fiの登録手続きとかセキュリティを携帯電話並みにしますということで、開発費を用意してシステムを考えればあっという間に解決するような気もしますが、Wi-Fiはモバイル事業のなかでは少数派なので金もパワーもない。
関口 その意味で言うと、モバイルキャリアのエンジニアというのはセルラーで育ってきた人たちですから、セルラーこそが正しい通信で、Wi-Fiは邪道だと思っているんです。Wi-Fiではお金が取れない、オフロード用だという位置づけでしょう。セルラー事業の負担が減るという消極的な位置づけなのです。
本当はWi-Fiでお金が取れるような仕組み、これを考えなきゃいけない。セルラーのようにお客さんに直接チャージするというやり方ももちろんありますが、それはなかなか難しいので、ビジネスモデルと融合して対価を得るためには、Wi-Fiでどういう仕組みをつくるかということですね。
小林 関口さんが前半で言われた自動運転とかドローンとかロボットですが、私がいつも言っているようにWi-Fiの自律分散でやるしかないのです。
誰かが中央制御でドローンを全部制御するなんていうことはできないわけです。エリアのそれぞれで自律分散的に共存してやるんです。周波数を、自律分散型の周波数と、中央制御で誰かがきちんとやる周波数という形に分け、そういう電波戦略を、企業と国が一緒になってきちんとやったほうがいいと思います。
――最後に、関口さんからWi-Bizへの期待をお願いします。
関口 今日のお話でも議論したように、個社を超えた団体がないと、認証の共通化とか、プロトコルの統一とか、啓蒙や啓発というか、そういうものができないわけですので、Wi-Bizの存在意義はとても大きいと思います。
この前、小林会長の監修で発行された「Wi-Fiのすべて」は「無線LAN白書2018」というサブタイトルでしたが、ああいう書物も誰かが作らないと無線LANの重要性が分からないわけです。
自分でそれぞれWi-Fiをやる人たちにとっても、全体像が把握できるのでとても重要だと私は思います。
Wi-Bizの役割はますます重要ですね。
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