ビジネス情報
実地踏査! 「しまなみ海道」のWi-Fi環境
無線LANビジネス推進連絡会顧問 小林忠男
一度は必ず行きたいと願っていた「しまなみ海道を2日間で走るサイクリングツアー」に行ってきました。今回はその旅行記ではなく、自宅からサイクリング始点の尾道、終点の今治までの間、どれだけWi-Fiが使えるかを書きたいと思います。
尾道から今治までの全体のサイクリングコースを図1に示します。赤丸はサイクリング中に休憩を取ったWi-Fi利用可能スポットです。
図1
1日目「Wi-Fi」1171MB、「モバイル」 104MB
自宅(@ドコモ光)→徒歩→立川駅バスターミナル(@立川フリーWi-Fi)→シティバス立川(@Wi-Fiなし)(注1)→
羽田空港第2ターミナルチェックインカウンター・搭乗待合室(@羽田フリーWi-Fi)(写真1)→ANA673便(@ANA Wi-Fi Service)(写真2)(注1)→
広島空港(@広島フリーWi-Fi)→中国観光バス(@Wi-Fiなし)→尾道レンタサイクルターミナル(@Wi-Fi未確認)→
サイクリングスタート 向島⇒因島大橋⇒因島⇒生口橋⇒生口島(@走行中はモバイルのみ)→瀬戸田港(@広島フリーWi-Fi)(写真3)→船で尾道に戻る(@Wi-Fiなし)→尾道国際ホテル(@ホテルフリーWi-Fi)
2日目「Wi-Fi」1626MB、「モバイル」 72MB
尾道国際ホテルから船で初日終点の生口島の瀬戸田港まで移動(@広島フリーWi-Fi)→
サイクリングスタート 生口島⇒多々羅大橋→多々羅しまなみ公園(@愛媛フリーWi-Fi)(写真4)→
サイクリング 大三島⇒大三島橋⇒伯方島→マリンオアシス伯方(@愛媛フリーWi-Fi)→
サイクリング 伯方島⇒伯方大島大橋→⇒大島→よしうみバラ公園(@愛媛フリーWi-Fi)→
サイクリング 大島⇒来島海峡大橋→よしうみいきいき館(@愛媛フリーWi-Fi)→🚲→GOAL今治国際ホテル(@ホテルフリーWi-Fi)
2日間のWi-Fiとモバイルのデータ通信量は、Wi-Fiが2797MB、モバイルが176MBであり、Wi-Fiとモバイルの比率は「16:1」で圧倒的にWi-Fiでした。
個人的にはモバイルは、メールのチェックと緊急の電話くらいしか使わないので、これだけWi-Fiが使えるようになれば主はWi-Fiでモバイルは従かもしれません。
しまなみ海道サイクリング中はスマホを操作することは出来ませんので、インターネットにつながりたい時にWi-Fiを使えない時は、バス、船の中でした。空港、ターミナル、観光センターなど人が集まるスポット、ANA・JALの機内、ホテルはほぼWi-Fiが使えるので個人的には数年前に比べて、「こんなにWi-Fiが使えるんだ」と、強く感じました。
(注1) 最近は、図2に示すように、移動するバス、列車、飛行機、船舶、タクシーのWi-Fi化が「2020」へ向けて急速に進んでいます。今回は、立川から羽田までの間、Wi-Fiを使うことが出来ませんでしたが、写真5、6に示すようにバスのWi-Fi化が進んでおり、次に乗る時は使えるかもしれません。
図2 固定スポットから移動スポット(交通系)でのフリーWi-Fiの増加
「Wi-Fi」と「モバイル」 の連携、結合
「Wi-Fiでインターネットにつながる」と書いていますが、スマートフォンがすべてWi-Fiによってインターネットにつながっているわけではありません。
ANAの機内フリーWi-Fiの場合、スマホは飛行機の中のアクセスポイントにWi-Fiでつながっていますが、飛行機は人工衛星の回線を経由してインターネットにつながっています。
前のメルマガ(2018年3月号:電波の話 第7回)にも書きましたように、バス、列車、船舶、タクシー等も車内・船内のアクセスポイントはモバイルのLTE回線を経由してインターネットにつながっています。
ということなので、先ほど、Wi-Fiが「主」でモバイルは「従」書きましたが、これは正しくなく、正確に言うとWi-Fiとモバイルが結合して私たちのスマートフォンやタブレットはインターネットにつながっているということです。
いつもの繰り返しになりますが、これからはLTEと5Gのモバイルとプライベート空間をカバーするWi-Fiが光と一体化し、全体最適のブロードバンドワイヤレスネットワークの実現を目指すことがお客様にとって最も重要なことだと思います。
最後に、しまなみ海道サイクリングの2日間、期待以上にWi-Fiが使え、Wi-Fiはすでに毎日に欠かせない情報通信インフラになっていると思います。
それに伴って、今回は詳しく述べませんが、通信品質、接続手順、セキュリティ等の問題が顕在化しています。
Wi-Biz会員の業界横断的な取り組みが必要だと感じました。
追記:しまなみ海道サイクリングツアーの感想
尾道から今治まで6つの島と橋を走る距離75kmのサイクリングの旅。
初日は小雨が降り続く中、NTT三浦会長の生家がある、最近話題になった向島から30人の参加者とスタート。脱獄者が潜んでいたとはとても思えない静かで穏やかな家並みと海岸線が続く道路をゆっくりと走ると、すぐに最初の因島大橋への登坂になります。
坂としては緩やかな傾斜3%の1kmはあるアプローチで難なく登り切ったが、80歳を迎えるご婦人がママチャリで普通に登ってきたのは正直吃驚しました。仕事が一段落しても常に体を動かすことが長生きに一番大切と痛感しました。
因島大橋は6つの橋の中で唯一、車は上、自転車と人は下の道路を走る二層構造になっていて、下を走るのはちょっと奇妙な感じがしましたが、車が横を走らないので安心して走ることが出来ました。
雨の中、因島を走り、生口橋を渡って生口島へ。天気が良ければ素晴らしい景色を楽しむことが出来ると思いながら、おやつタイムでドルチェというお店で、デコポンと桃のジェラートを頂く。とても美味しかったがちょっと気温が低くて。耕三寺で有名な生口島の瀬戸田港が初日の終点。
2日目は雨が上がって絶好のサイクリング日和でした。最初の橋は、一番形が美しいと感じた多々羅大橋です。約1.5kmの直線道路を海の風を受けて気持ち良く走るわけですが、海側に柵があって真下の海面は見えないようになっているので怖くありませんが、透明な柵で真下の海面が見えたら高所恐怖症のひとは怖くて走れないかもしれません。でも、楽しかったです。
多々羅大橋を渡って大三島へ。ここは「サイクリストの聖地」だそうで、その碑の前で記念写真を一枚(写真7)
快晴の中、気持ち良く走り、最も短い大三島橋を渡って伯方島へ。伯方・大島大橋を渡って最後の島になる大島へ到着し、よしうみバラ公園でランチ。はじめて会ったメンバーとも会話が弾むようになり美味しく楽しいランチでした。
ランチの後は、いよいよ結構な傾斜のあるアプローチを走ってから、最長の来島海峡大橋を、直線4km以上を走り、終点の今治へ。
こうして、すべての行程を楽しく終えることができました。
写真7
■Wi-Biz通信(メールマガジン)の登録はこちら