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米FCCが6GHz帯の1GHz幅をアンライセンスバンドに割り当て
岩本 賢二
10月に入ってすぐ、米国から大きなニュースが入ってきました。
なんとFCC(米連邦通信委員会)が5G通信に向けたルール改正の一環として1GHzもの広帯域をアンライセンスバンドに割り当てるというのです。
FCCは5G分野でリーダーシップを取るには5Gに新たな周波数を割り当てるだけではなく、アンライセンスバンドにも相応の周波数を割り当てることで、市場が活性化されると考えているようです。
今回発表された計画で6GHz帯の1GHz全てそのままアンライセンスバンドとなる可能性があるようです。
実際に米国では固定無線通信企業がアンライセンスバンドを利用して熾烈な競争を繰り広げていますが、競争は市場を活性化しますので、アンライセンスバンドの拡張は有効だと言えます。
現在日本でも周波数の再編が検討されていますが、是非日本でもアンライセンスバンドの大幅な拡張を推進して欲しいものです。
「Mobile World Live」の記事翻訳を掲載します。
FCCが追加の帯域で米国の5Gを推進
Mr.Kavit Majithia
FCCは5GとWi-Fiにより多くの周波数を解放する計画を発表しました。また地域通信会社が投資を促進できるようにルールを策定します。これは米国が次世代モバイル技術においてリーダーシップを持つためです。
ブログ記事では、写真のAjit Pai会長が10月下旬に採択される見込みの周波数計画案を概説しました。これは9月下旬に行われた「White House Summit on 5G」で彼が講演した内容と同じです。
その講演では、5G FAST Planを通じて、米国の5G技術における優位性を促進するというFCCの計画に焦点を当てて詳細を述べました。
5Gリーダーシップ
5Gを開始するにあたり、Pai氏は11月14日から28GHz帯と24GHz帯のミリ波帯についてオークションを開催する計画を明らかにしましたが、しかし、中帯域のバンドについては5Gとその他の利用向けに開放したいと付け加えました。
この提案では重要なバンドである3.5GHz帯を有効活用するために投資と技術革新を促進するためにルールを変更すると言っています。
たとえば、プロバイダーが3.5GHzライセンスを更新できるようにすることで、この帯域を使用して5Gネットワークを展開するインセンティブが大幅に向上します。
3.5GHz帯域は5Gに適しているとは言われていませんが、現在の携帯ネットワークで使用されている帯域に比べて、容量とスピードを向上させる可能性があります。
Wi-Fiの契機
Pai氏は「Wi-Fiの技術は特定の帯域をアンライセンスで利用可能にするというFCCの決定によって、より一層普及し、それにより、このトラフィックを吸収するため、さらにアンライセンスバンドへの需要が増していく」と語っています。
Wi-Fiは現在2.4GHz帯と5GHzで動作していますが、この帯域を別の帯域に拡大することで輻輳が緩和されます。
従って、FCCでは6GHz帯でのアンライセンス利用の拡大を提案しています。これは、他の方法で全く使用されないスペクトルの効率的な利用を促進するものです。Pai氏は1GHz以上の新しいアンライセンス帯域が利用可能になる可能性があると付け加えています。
「この最後のポイントは重要で、この広大な帯域はWi-Fi接続の高速化を可能にし、小さいながらも激しい競争をしている固定無線企業のように、アンライセンスバンドを使用するインターネットアクセスプロバイダーの活躍の場を広げます。またこの動きは携帯ブロードバンド会社の5Gのための既存ライセンスを補うことになる」とPai氏は言っています。
また、「FCCは地域通信会社を規制するルールの近代化を提案し、ネットワークに投資するための規制を廃止する見通しであり、承認されれば、地域通信会社は規制遵守のために無駄にしている資源を、より強力なネットワークの投資に利用できるようになり、よりよいサービスを提供することに専念できる」と述べました。
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