技術情報
衣類の折り畳みを実現するRFID
技術・調査委員会 松村直哉
先月のメルマガでユニクロにおいて使われ始めたRFIDについてご紹介しました。900MHz帯域を利用したRFIDは水分や金属を使わない衣類との相性が良く、なんと年間13億着の衣類のタグなどに装着されています。
現状、このRFIDタグは衣類を購入した後に外して廃棄されてしまいます。これをもう少し日常でも利用できないか?と考えていました。そこで目に飛び込んできたのが自動洗濯物折り畳み機です。
一つ目がfoldimateです。
動画がこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=19CcyoI6-DQ
お父さんとお母さんが洗濯物をたたむ周りで子供達が遊びまわっている動画。そこにfoldimateが登場し、小さな子供でも衣類をマシンに挟むだけで綺麗に折りたたんで何枚か重ねてくれる優れものです。
洗濯という作業は全自動洗濯機と乾燥機によってかなり効率化されてきましたが、最後の折りたたむ作業はこれまで手作業に頼っていたかと思います。これを自動化。あったらいいな、日々洗濯物をたたんでいる方であれば、誰しも想像したかと思いますがそれを作り上げたところが凄いと感心してしまいます。
さらに、もう一つがランドロイドです。
https://laundroid.sevendreamers.com
こちらはさらに進化しています。家族が多い洗濯物は子供や大人のTシャツやズボン、下着類をたたんだ後にそれぞれの持ち主に仕分けする作業が残っています。ランドロイドはこの仕分け作業をAIを使い自動的に行ってくれるという優れものです。動画があるので、ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=DzK38ylMTXk
ここで冒頭のRFIDの話に戻ります。そうです、この仕分け作業をする際にRFIDがついていれば一度登録すればそのあとは自動的に持ち主に仕分けられるはずです。
ただ、前回メルマガで紹介したRFIDは、半導体チップとそれにつながるアンテナが、コストを抑えるために保護カバーなしで貼り付けられている構造になっています。
アンテナが防水構造となっていないため洗濯機にかけて洗うことはできません。
つまり、衣類に取り付けた状態で洗濯機にはかけられません。
しかしながら、近年、RFIDは金属板に取り付けたり、制服などに取り付けてそのまま洗濯にかけられるタイプのものもあります。
ソフトリネンタグで衣類につけて、そのまま洗濯できるという優れものです。まだ、価格が少し高く、一般的に売られている商品に取り付けるには少し時間がかかりそうですが、衣類を製造、輸送、販売、利用のすべての流れでRFIDが利用できると衣類の提供側だけでなく利用側にも大きなメリットになると思います。
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