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技術情報
「ローカル5G」に必要となるIMSI番号とは? その2

企画・運用委員会 松村直哉

先月に続き、ローカル5Gで利用されるIMSI番号について紹介します。

9月27日に、総務省から「ローカル5G導入に関するガイドライン案」が公開されています。これまで利用されている3Gや4G(LTE)のライセンスバンドは主にモバイルキャリアしか使えませんでしたが、ローカル5Gは土地や建物のオーナーが免許を取得し、5Gシステムを利用できるというメリットがあります。

このガイドライン案については10月28日までにパブリックコメントを募集しています。

*意見書の提出要領については総務省の以下のHPを参照してください。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000396.html

このガイドラインの中でローカル5Gの最初の導入としてはNSA(Non Stand Alone)方式というものから始まり、4Gの基地局とローカル5Gの基地局をそれぞれ、4Gを制御のための信号、5Gを通信トラフィックとして利用する4G(LTE)、5Gとの併用となります(下図参照、ガイドラインより抜粋)。

なお、今年に制度化を進めている28GHz(100MHz幅)は通信エリアを広くとることが難しいため4Gシステムによる制御信号でのやりとりによって利便性を向上させることができます。

*NSAについては以下のガイドライン概要案を参照してください。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000646534.pdf

このときNSAで利用する4Gのバンドはこれまで地域BWAで利用されていた2.5GHzをメインに利用することになります。ローカル5G検討作業班で同時に検討されていた自営BWAが地域BWAの利用用途を変え、自営での幅広い目的で使えるようになっています。通信帯域は下図の高度化方式の部分になります。

さて、先月号で解説したIMSI番号について新たな情報が「ガイドライン」に記載されています。

これまでIMSI番号はITU-T勧告にのっとり、総務省を経由して採番することになっていましたが、クローズドなネットワークで利用する場合については、総務省へ申請するだけで利用できるようです。

申請するIMSI番号は各国に割り当てられる体系のものではなく「999-02」という、インターネットの世界でいうところのプライベートIPアドレスに近いものになります。

ITU-T E.212勧告の中でMobile Country Code(MCC)について、プライベートネットワーク内で使う場合には、これを「999」とすると定義されています。

*詳細は以下のガイドライン案を参照してください。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000646534.pdf

実際の運用としてはIMSI番号の場合、認証に使われるための番号の重複を避けるため総務省へ申請し、番号をもらう手順をとるようです。このIMSI番号体系を利用することで、農業や工場IoTなど閉じたネットワークで利用する場合にローカル5Gを利用するハードルが低くなったと思います。

このようにローカル5Gは利用するためのハードルを低くしていますが、あくまでもライセンスバンドのため、通常の免許取得や、資格を持った従事者が必要なことについては大きく変わっていません。従って、アンライセンスバンドのWi-Fi6とはコストやその手軽さと機能を比較しながら選択する必要があると思います。


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