事例紹介
千葉県大多喜町 「観光用Free Wi-Fi」と「Wi-Fi自動販売機」を統合し災害対策にも
渉外・広報委員会 江副浩
既存で整備されていた観光用Free Wi-Fiと、民間が運営する自動販売機Wi-Fiを統合することで、町全体での整備個所を拡大することに成功したという事例です。
千葉県大多喜町(おおたきまち)の基礎情報について
人口:9,385人
世帯数:3,824世帯
高齢化率:39.9%
条件不利地域:過疎地域(全域)、半島振興対策実施地域(全部)、辺地(一部)、振興山村(一部)、特定農山村(一部)
財政力指数:0.42(2014年度)
Wi-Fi利用拠点数:39(内自販機Wi-Fi11拠点)
アクセスポイント数:39(内自販機Wi-Fi11AP)
整備開始:平成27年
域内指定緊急避難場所数:19
域内指定避難所数:15
Wi-Fi環境整備実施の経緯について
大多喜町は、千葉県房総半島の南東部に位置し、大多喜城と養老渓谷を主たる観光資源とする地域です。養老渓谷では、観光客が渓流釣りやハイキング、バーベキューや秋の紅葉を楽しむことができ、房総半島随一の温泉郷です。
平成26年度当初、養老渓谷の旅館や町内商店には、計28箇所でWi-Fi環境整備が行われており(民設民営)、観光客や買い物客等に無償でWi-Fiサービスが提供されていました。一方、千葉県より「公衆無線LAN環境整備事業」の補助金の案内が来ており、取り組むこととなりました。
Wi-Fi環境整備の内容
養老渓谷の旅館や町内商店で先行して28か所のWi-Fi環境が整備されていました。そこにテルウェル東日本が「Wi-Fi自動販売機」を新たに11拠点に設置しました。補助金を利用することで、この2つのWi-Fiシステムから「Otakitown_Yorokeikoku_Free_Wi-Fi」を統合してサービスするためのカスタマイズなどを行いました。
スマートフォンやパソコン、タブレットなどのWi-Fi設定画面でSSID「Otakitown_Yorokeikoku_Free_Wi-Fi」を選択して接続すると、自動的に大多喜町観光協会のホームページが表示され、観光情報やイベント情報を閲覧できるようになっています。有効な接続時間は連続1時間と設定されており、1時間を超えた場合は再接続が必要です。1日最大4回までの接続が可能です。
また両Wi-Fiシステムのいくつかの設置場所は指定避難場所になっています。このうち指定避難場所など5か所に設置されたWi-Fi自動販売機は災害時に無料で飲料を取り出せる災害救援ベンダーにもなっています。さらに災害時のWi-Fiサービスは無制限開放される仕組みになっています。
整備運用費用について
大多喜町の町有施設におけるWi-Fiの整備費用は以下の通りです。
年度:平成26年度
整備費用:8,800,000円(テルウェル東日本負担を含む)
設置個所:11か所
備考:テルウェル東日本は自動販売機11か所のネットワーク回線、Wi-Fi設置工事費を全額負担。町は県の補助金を接続時間増やサービスのグループ化にかかるカスタマイズ費として利用。また広報活動にも利用しました。
Wi-Fi環境整備効果
特に環境整備の効果は計測していませんが、今回、既存の観光Wi-Fiと民間が設置するWi-Fi自動販売機の設置を大多喜町が災害対策の一環と位置付けました。このため、設置されたWi-Fiが観光地の利便性向上だけではなく、災害時における情報入手及び安否情報の発信手段といった防災対策につながりました。
参照先:
総務省「地方公共団体におけるWi-Fi整備・利活用事例集」http://www.soumu.go.jp/main_content/000618328.pdf
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