趣味と仕事
「Wi」といえば、ワイファイではなく、ワイン?
総務省情報流通行政局地域通信振興課
課長補佐 小林圭輔
昨年の春、私にとっての最大の出会いがありました。それは、ぶどうから造る、あのお酒、そう「ワイン(Wine)」です。
「Wi」ということで、「Wi-Fi」を期待した方もいらっしゃると思いますが、残念ながら、独断と偏見で「Wine」について語ります。当然ながら、組織の見解ではございません。
なぜワインに惹かれてしまったのか?
これまで、大学の教授がワインを好きだったり、マンガの「もやしもん」(石川雅之作・講談社)にハマったことがあるなど、ワインを好きになる可能性がありましたが、これまで不幸にもワインにハマることはありませんでした。
ちなみに、「もやしもん」を改めて読み直すと、やはりワインも発酵物なので、描写がそこそこあります。ご存知のとおり、3巻では、武藤葵というキャラクターが酔った勢いで、教授の所有する、かの有名なロマネ・コンティ(Romanée-Conti)など4本を酔った勢いで、勝手に空けてしまいます。また、6巻では、フランス・ブルゴーニュで、ドメーヌ(ブドウ畑を所有して、栽培や瓶詰めまでワインの製造を行う生産者)のマリーというキャラクターが出演したりもします。ワインを知ることによって、「あぁ!そういうことだったのか!!」と面白しさが増す描写があります。ワインに限らず、オススメの作品です。
脱線してしまいましたが、きっかけは2019年の春くらいでしょうか。なにげなく立ち寄ったバーで、ワインに「出会って」しまったのです。南イタリア・プッリャ州のプリミティーヴォ(Primitivo)というぶどう品種を使ったワインと、フランス・ボルドーのシャトー・ムーラン・オー・ラロック(Château Moulin Haut Laroque)というワインを飲んだ時に衝撃を受けました。いつも行くような居酒屋の飲み放題メニューにある飲み放題のワインでは味わえない味、香り、余韻に圧倒されました。そんなに値段の高いワインではないですが、「一つの飲み物なのに、こんなに味わいの世界が広いのか!もっと知ってみたい!」と思ったのがきっかけです。
それから、今に至るまで、ワインのみならず、(むしろワインをより深く知るため、)色々な語学(フランス語、イタリア語など)や世界の歴史、チーズ、世界の郷土料理などを通じた勉強が、楽しくてしょうがありません。
ハマリ始めてから、自宅に念願のワインセラーを買ってしまいました。まだまだ貯まっていないのでこれから買いそろえていきます。
ワインを楽しむ(勝手な)素人3原則
とは言いつつ、「ワインってウンチクがめんどくさそう」とか「お金がかかりそう」とか敬遠されがちな(=誤解されがちな?)飲み物でもあると思っています。誤解も受けやすいので、私は、ワインを楽しむ時に以下のことを心がけています。
1.ワインも、ただのお酒である
2.しかし、知れば知るほど、世界が広がる
3.ただし、ウンチクは語らず
スワリング(グラスを回して、空気に触れさせること)や、そのあとグラスに鼻を近づけて香りを取るとかワインの作法があるようですが、無理してそんなことせずとも、ワインもただのお酒と思えばいいのです。人と語らいあって、その潤滑油としてのお酒の役割を忘れてはいけないと(偉そうに)思っています。昔のテレビ番組で、イタリアのサルデーニャ島ではガソリンスタンドのように日常で消費するワインを売っているのもみたこともあります。ワインも生活に根付いた一つのお酒なのですね。
一方で、ぶどう品種、国の特徴、ワイングラスの形の意味、その地域の料理とのマリアージュ(フランス語で結婚の意。いわゆるワインと食事の組み合わせのこと)、香りの表現を知ると楽しみ方が広がるのも非常に魅力だと思っています。例えば、スポーツや習い事であっても、技術や作法を知ることによって、より深く楽しくなることと一緒なのでしょう。
でも、ウンチクを語ることによって場をシラけさせたりすることはあってはならないと思っています。あくまで、人と人が語らうための飲み物であることは忘れてはいけないですね。(私も、ウンチクとか雑学とか言いがちなので、自戒の念も込めてですが…笑)
「行きつけのお店」というちょっと大人の世界へ
ワインにハマってから、ちょっと大人な「行きつけのお店」もできました。今回、ご紹介するのは、新宿三丁目にあるMOUTON(ムートン)というお店です。ピアノの生演奏(1日3ステージ)もやっています。店長のソムリエ小林さん(偶然にも同じ苗字!!)は、私のワインの師匠でもあるのですが、注文したワインの味わいや世界観、生産者の特徴など教えてくださって、いつも楽しくワインを飲ませてもらっています。メニュー外でも「なにかない?」で注文に応じてくださったり、行くのが非常に楽しみなお店です。
ちなみに、店内に表示はありませんが、Wi-Fiも使えます。やはり外国人の方から「Wi-Fi使えないの?」と聞かれることが多いようです。
店内の様子。写真映えするように良いワイン(ジャンフランコ・フィノの造る「セ(Sé)」というイタリアワイン)を注いでもらいました。
2020年の目標
2020年は、日本ソムリエ協会(J.S.A.)のワインエキスパートという資格を取りたいなと思っています(よくソムリエがつけているような金色のぶどうのバッヂが、ワインエキスパートの認定としてもらえます。私もミーハーです)。ちなみに、いわゆる、J.S.A.認定のソムリエになるためには、酒類・飲料を提供する飲食サービス等に少なくとも2年以上経験していないといけないため、残念ながら、私の仕事ではなることはできません…。試験としては、論述の有無の違いはありますが、択一試験やテイスティング試験は同様にあるようです。
また、9月には、世界的なフランスの銘醸地ボルドー・メドック(Bordeaux Médoc)でワインを飲みながら走る、夢のようなマラソンがあるそうです。ぜひ機会が許せば、行ってみたいです。
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