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趣味と仕事
ゴルフとワイヤレスと私

NTTブロードバンドプラットフォーム株式会社 大串 幾太郎

昨年の1月末からのコロナ禍から、気づけばあっという間に年が過ぎたな、と感じます。皆さんはどのように感じているでしょうか?
筆者は、思い返せば、アメリカで開催される「CES」から帰ってみると、ダイヤモンドプリンセス号などで、大変だなぁと思っていたのもつかの間に、学校の休校宣言、東京2020オリンピック・パラリンピックの延期、緊急事態宣言発出と瞬く間に事態が推移し、いつの間にか通勤風景や日々の過ごし方が変わり、ニューノーマルな日常を受け入れる毎日となっています。
さて、今回は「趣味と仕事」というコラムということで、趣味のゴルフに絡めて、話をひとつしてみようかと思います。

ゴルフ事情とコロナ禍

経済産業省の調査報告(出典「令和元年度 商取引・サービス環境の適正化に係る事業 (個別スポーツの需要喚起策可能性調査)報告書」)によれば、やはりというか、ゴルフ市場規模、ゴルフ参加人口、ともに縮小傾向だそうです。人口様態の変化、価値観の変化といったことをふまえると、仕方ないかもしれないなと思う反面、ゴルフをする筆者などからすると少し寂しい気持ちがあります。
しかしながら、市場規模はそれでも1兆円を超える規模で(2018年度:約1.3兆円)、ゴルフコース人口は約670万人規模の産業です。ゴルフ場の数も2002 年の 2,460 コースをピークとし、以降はゆるやかな減少傾向となり、2017 年では 2,257 コースとなっているものの、世界的には、米国の14,640 施設、英国(スコットランド含む)の2,504 施設に続く、3 番目だとか。意外ですよね。せっかくのこうした産業インフラがあるのだから、活性化していかないともったいない!と思いますし、活況になってほしいですね。
一方で、このコロナ禍にあって、逆にゴルフをする人が増えているとの報告もあります。日本経済新聞によれば、米国では新型コロナ感染が拡大する中でも、ゴルフをする人が増え、それにつれて、低迷気味だったゴルフ用品の売上高が、底を打って急回復したのだとか。日本でも、米国ほど顕著には出ていないものの、そういった傾向があるのだそうです。都内の大型ゴルフ用品店では、これまであまり動かなかった初心者向けのハーフセット・クラブが売れるようになってきていると記事になっておりました。

これは、やはり現地調査しかない(笑)、というわけではないですが、たまたまラウンドの機会が訪れましたので、最近のゴルフ事情とともに、仕事的なところも含めて、ゴルフで用いられるワイヤレステクノロジー関連を報告してみたいと思います。

ゴルフ場におけるワイヤレステクノロジー

というわけで、久しぶりに仲間とラウンドする機会です。とある、茨城県のゴルフ場にやってきました。

 

ラウンド中は歩くのが基本と言いつつ、移動ではカートを使うのが一般的ですね。以前では、単なるカートが一般的で、GPS機能付き、モニター付きのカートというのは一部のゴルフ場にしかないイメージがありましたが、最近のゴルフ場ではGPS機能付、モニター付きのカートが多くなってきました。今回のラウンドではGPS機能付き、モニター付きのカートでした。

 

画面の写真を撮るのを忘れてしまいましたが、当該ホールのレイアウト表示、ホールごとの攻略の他、カート位置からグリーンまでの表示をリアルタイムに表示することが可能となっています。また、打ち込み防止のために1つ前のカート位置がGPS情報から相対距離で表示できます。今回のゴルフ場では、追加料金を払うと、更に最新のゴルフナビ機能が使えて、ホール高低差などの詳細攻略ナビや、リーダーズボード機能などのスコア入力、スコア表示などを行ってくれる、優れものでした。ブラインドホール(第1打の打ち終わりが見えないホール)では、ゴルフ場側でそのようなホールに人を配置して、第1打を打つのをコントロールするなどありましたが、このようなシステム、技術の導入により、省人化が進んでいます。

 

早速、ラウンド開始です。1ホール回り終えると、スコアを記録します。一昔前なら紙に書くのが当たり前でしたが、今はスマートフォンがありますから、直接スマートフォンにアプリから入力する人が増えてきました。筆者はアナログ派なので、紙に手書きです。しかし、スコア管理、振り返りのため、ラウンド終わった後に改めて、アプリに入力、分析するというパターンは確実に多くなっています。

 

こちらは先輩のニコン社製のレーザー距離計です。セルフプレーでラウンドする場合では、あちこちに行く(というか、あちこちにしかいかない(笑))場所からの距離を自分で把握してクラブ選択、ショットをすることになります。そのような場面で活躍するのが、こちらです。技術的にはワイヤレスというか、光ですね。レーザー光の反射で距離を計るタイプが主流なようです。そのため、手ブレ補正とかの技術が効いてくるというか、そのような技術を先行するカメラメーカーがリードしている感があるでしょうか。最新ニュースでは、ついに全米プロでも距離計が解禁されると報道があり、これから、より、この手の市場製品が伸びそうな気配がします。

まぁ、距離を計れたところで、その距離を正確に打てないとあまり意味がないですが・・・。

 

こちらはウェアラブルデバイス。Garmin社製の腕時計型のゴルフナビですね。GPS内蔵で、グリーンまでの距離やハザードまでの距離など、ナビゲーションを行うデバイスです。ほぼ全世界のコースデータを持ち、時計機能などはもちろん、活動量計としての機能を併せ持つように進化しています。また、アプリとデータを連動させて、ラウンド後に各ショットがどのように推移したのかわかるようになっています。メーカーのHPを見ましたが、なかなかスゴイですね。個人的には、腕時計型をつけてスイングするのは気になるのですが・・・。まぁ、重量もこちらの製品だと、数十g程度と非常に軽量になっています。
センサーとしてジャイロスコープや加速度計も内蔵していますので、スイング分析なども高度化していくことが期待されます。

 

前半ラウンドがおわればクラブハウスのレストランで食事です。本職的な報告になりますが、最近では、Free Wi-Fiが使えるゴルフ場が増えました。よくあるのが、フロント等でパスワードを確認するのを忘れてしまい、食堂で使えない、といったことは「あるある」です。是非、多くのゴルフ場でFree Wi-Fiが普及していくといいですね。

終わりに

久々のラウンドは楽しく回れました。やはり、ニューノーマルな日常でもゴルフは楽しみたいものです。一昔前と比べるとICTを用いた進化というのは、隔世の感があります。ゴルフにもデジタル化の波は確実に来ていますね。最近見た記事では、ゴルフカートの端末にデジタル広告を導入、新たな収入源確保によるビジネス化や、スマートゴルフナビ、AIによるキャディー助言、リモートコーチなどの個人向けアプリ開発等、各社の競争が進んでいるようです。NTTドコモの5G実証実験では、コースに設置したカメラやゴルフ用弾道計測器から得られる打球データから、ボールの落下地点予測をする取り組みも行われています。いずれ、ゴルフボール内に無線チップを埋め込んで、どこに打ったのかすぐに分かるような未来のゴルフが来るのかな?と思います。これならどこに打っても安心ですね!(池ポチャ以外)

おまけ:今日の19番ホール

 

はい、まぁICTを用いたところで、良いスコアで回れるとは限らないわけで・・・。

というわけで、スコッチウィスキーと自家製燻製ナッツで反省しながら、本稿を書き中。今回の燻製はクルミチップを使いましたが、ヒッコリーや桜のチップなど、チップの種類もいくつかあって、いろんな風味が手軽に自宅でも楽しめます。

いつの日か、コロナ禍が収まり、セントアンドリュースでラウンドして、スコッチを楽しめるような日常が一刻でも早く到来することを祈って、このコラムを終了します。お付き合いいただきありがとうございました。


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