インタビュー 寺嶋由芙さん (下)
Wi-Bizアンバサダーの使命として
「ゆるキャラ」と連携して各地域に「00000JAPAN」を
Wi-Bizの「アンバサダー」に就任した、アイドルの寺嶋由芙さんを、Wi-Biz事務局の成嶋さんが訪問し抱負を聞きました。前回は「ゆるキャラアイドル」になった経緯と、地域に根付いたゆるキャラの役割について聞きました。今回は、地方創生とゆるキャラ、「00000JAPAN」の拡大と防災などの取り組みについてうかがいます。
地域に根差しているゆるキャラ
――ゆるキャラの一ファンから、ゆるキャラの活動に直接携わるようになって、どういうことに気付かれましたか。
寺嶋 実際にキャラクターたちとお仕事をすると、皆さん、自分の町を知ってもらうために、すごく工夫されながらお仕事をされている方が多くいらっしゃいます。観光をPRされている方もいれば、「たかたのゆめちゃん」みたいに、震災で大変な思いをしたから復興とか自分たちの経験をちゃんと外に伝えるという使命を持ってやっているキャラクターがいたり、それぞれキャラが生まれてきた経緯とか、運営されている方の志みたいなものも状況によって違い、様々です。
可愛いなというので楽しめるキャラクターではあるんですけど、それぞれのバックグラウンドみたいなものを知ると、より日本全国、各地への理解がとても深まります。キャラを追っかけているだけで日本全国のことに詳しくなれるし、旅行とかもキャラクター遠征なんですけど、行くようになったし、すごくいろいろな意味で地域への見聞が広がったなと思います。
――ゆるキャラさん自体が町や目的について、何らかの強いメッセージを持っているわけですね。
寺嶋 キャラクターを見ると、その町の特産品とか名所がすぐ分かるんです。姫路だったら姫路城がそのままゆるキャラになっているみたいな感じで、成田もウナギ屋さんがいっぱいあるよ、成田空港がありますよみたいな、そういう町のPRしたい要素がぎゅっと詰まっているので、見ているととても勉強になります。
物産展とかに近いイメージで、お正月に東京ドームでやっている「ふるさと祭り」という大きな物産イベントにもキャラクターがいっぱい出ていたり、あとはデパートの催事にゆるキャラが来たりと、わりと細かく見に行くようにしていて、楽しいですよ。
Wi-Fi はアイドル活動に必須不可欠
――アイドル活動でWi-Fiはどう利用していますか、またコロナ禍によってどのように変わってきましたか。
寺嶋 Wi-Fiは仕事をする上で欠かせなくなっています。アイドルの活動をする上でSNSが必要なので、TwitterとかInstagramで画像なり動画なりを載せるときは、どうしてもWi-Fiとか電波が必要になってきて、日常的に使っていますね。朝のおはようツイートに始まり、イベント告知もするし、「おはよう」から「おやすみ」までTwitterをいじっています。
あとはYouTubeとか、コロナになってから特にですけど、おうち配信みたいなものを増やすアイドルが多くて、私も家から出られない自粛の期間に動画を配信したりYouTubeに新しく動画を更新したりということを結構やっていたので、そういうものも全部Wi-Fiを使ってやっています。
このコロナ禍、我が家はWi-Fiをバージョンアップさせました。千葉の田舎なので、電波が届かなくて。前、使っていたものが、1個の動画をアップロードするのに一晩掛かるみたいな弱小のものだったので、両親に頼んで、新しいのを入れてもらって、だいぶ快適になりました。
――Wi-Fiの最新モデルにしたら、快適になった。
寺嶋 私だけじゃなくて両親も新しくタブレットを買って、両親が家の2階で仕事をするので2階にLANを引いていたんですけど、ちゃんと1階まで届くようになったので、1階のリビングとかで、タブレットで動画を見たり調べ物ができるようになりました。私に限らず家族全員、家にいる時間が増えたので、電波の環境は改善して良かったなと思いました。
――YouTubeに上げるんだったらアップロードがしっかりできないといけないですね。
寺嶋 そうなんです。アップロードに時間が掛かるので、前はあまりにもダメなときは、家の近くの24時間営業のファミレスとかに行っていました。そのファミレスの電波をもらって更新したりしていたんですけど、コロナになってファミレスも夜はやってないので。それで、家のものを新しくしたのです。
――今はスマホ、タブレット、何を使っていらっしゃるんですか。
寺嶋 スマホもタブレットもパソコンも全部使ってます。普段のTwitterとかはスマホが多いんですけど、YouTubeの編集とアップロードはパソコンを使いますし、あとコロナ禍になってからブログとか、あとはnoteという文章をいっぱい書けるサイトとかも始めて、そういう長めの文章をアップロードするときは、大きい画面で見るほうが推敲しやすいので、パソコンも使うことが増えました。あとは動画配信をうちから行うときは、タブレットで配信しながら、手元のTwitterでコメントを見たり、Twitterを更新したりということをしています。
――Wi-Fiがないと仕事にならないですね。
寺嶋 ほんとに、Wi-Fiがないとやっていけませんね。
――今、Wi-Fiで困っていることとかありますか。
寺嶋 今は、もうないです。いろいろなことが快適にできるようになってきたので、大丈夫かなと思っています。逆に、良いWi-Fi環境に慣れ過ぎて、一昨日、テレビ局のスタジオに長く居なきゃいけない仕事だったんですけど、スタジオには電波が入らないので、待ち時間が長くて、すごく不安な気持ちになりました。完全に依存しているなと思いました。
――外ではライブ活動もありますね。その配信のときにわざわざLANを引いてもらったりしているということですが。
寺嶋 そうです。少し古いライブハウスでイベントをするときとかは、イベント会場にWi-Fiがない場合があるので、そこからの配信ライブはわざわざLAN工事してもらったりすることがありますね。
――ライブの生配信でネットに流していくわけですね。
寺嶋 コロナでお客さんを会場に入れられないとか、人数制限があって全員が入れないというときに、地方にお届けするには生配信をすることが前よりずっと増えました。会場にWi-Fi が付いていると嬉しいのですが、すごく味があるいい会場でも「Wi-Fi がないです」と言われると、LANの工事をしなければいけなくなります。
――Wi-Fiで他に感想や思い出など何かありますか。
寺嶋 Wi-Fiは海外に行ったときにポケットWi-Fiをお借りして、それが命綱みたいな感じで仕事をしていましたね。海外で使えるものを借りて持っていって、それがあったおかげで日本と全然変わらず仕事もできるし、家族とかとも連絡が取れるし、不安なくやれたのは良かったなと思います。空港で借りて空港で返せて、すごく便利でした。
ゆるキャラの親しみやすさとメッセージ性
――この度、Wi-Bizのアンバサダーに就任していただきましたが、「00000JAPAN」はご存知でしたか。
寺嶋 このお話をいただいて初めて知りまして、地域の活動と密接なのに何で知らなかったんだろうなと、思っています。
――ゆるキャラさんの活動とは相性がいいのかなと思うんですけれども。
寺嶋 本当にそう思います。ゆるキャラたちは観光PRとか外向けに「うちの町はこんないいところだよ」という仕事がもちろんあるんですけど、内向きの広報活動も実はすごく頑張っているのです。市民の方に健康診断を受けてくださいとか、予防接種を受けてくださいとか、防災についてキャラがPRしていることは結構多いのです。
そこで、例えば町のキャラクター、千葉県だったら「チーバくん」が「00000JAPAN、よろしくね」と言えば、千葉県の人は「チーバくん」が言っていたやつか、と思われるはずなのです。「町民だより」とか「県民だより」みたいなものにキャラクターがすごく登場するのです。
9月1日、防災の日に「区民だより」「市民だより」に防災の特集が載るじゃないですか。そこでゆるキャラが宣伝するとか、区の防災イベントでゆるキャラが00000JAPANのことを言うだけでも、だいぶ違うんじゃないかなと思っています。
――ゆるキャラは市・区・町・村が単位なので、いいかもしれませんね。
寺嶋 とても相性がいいと思うのです。あと、是非、Wi-Bizさんでやったらいいんじゃないかなと思っている案があるんです。インフルエンザの予防で、「マメにマスク」という運動が何年か前から行われています。
こまめにマスクをしましょうという意味なんですけど、「日本全国みんなで予防インフルエンザ」という、マメにマスクのキャラクターがいるんです。この子が各地域のキャラクターと組んでいる市町村ごとのポスターがあるんです。
例えば「チーバくん」と「マメにマスク」の豆とがセットになっているポスターが千葉県には張られています。マメにマスクと「ぐんまちゃん」がセットになっているポスターが群馬県で張られています。
Wi-Bizだったらたとえば「スマホさん」とその県のキャラクターがセットになっている2ショットのポスターを県とか市町村ごとに作って町に張ったら、県民とか市民の方は、うちのキャラクターと何か知らないスマホのキャラクターが一緒にいるぞというところから興味を持ったりするのかなと思っています。
参考:厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/keihatu.html
――メッセージ力を持っているし、影響力を持っているわけだから、そのメッセージに載せれば非常に効果があるわけですね。
寺嶋 視覚的にもすごく強いし、自分のところのキャラクターがやっていることは、強いメッセージを持ちます。栃木県のキャラクターとマメにマスクのPRキャラクターが一緒にいるだけで、「『とちまるくん』もやっているんだな。じゃあ、私もやろうかな」と栃木県の方には思ってもらえるかなと思います。地元愛みたいなところを、すごくくすぐると思うんです、これができたら素敵ですね。
――00000JAPANも究極的には地元のためです。災害が起きたときは公民館や小学校などで自由にWi-Fiが使えるわけだから、地元のためでもあるんですね。
寺嶋 それがすごく大事ですね。東日本大震災ぐらい大きかったら別ですが、災害は局所的なものが増えています。その地域だけすごく困っているみたいな状況が起こったときに、これを思い出せば、その地域の人はすごく助かると思うのです。
――最後に、Wi-Bizのアンバサダーとしての抱負、今後の取り組みとかがあれば、教えていただければと思います。
寺嶋 地域防災にキャラのみんなと一緒にお役に立てたらなという気持ちがすごくあって、自分が誰かのお役に立ちたいという気持ちが強いです。防災としていろいろ啓発活動をすることで、助かる人がいて嬉しいなというのもそうなんですけど、今、キャラクターたちがコロナのこともあって、どうしてもイベントがなかったり、頑張りたいのに仕事がない状況になっちゃっているのを、キャラたちにも新たな使命を渡せるということも思っています。
私はキャラのみんなにいろいろなお仕事をもらって、ここまでアイドル活動をしてきたので、アイドルとしてキャラのみんなに新しい役割をお渡しできたら、恩返しになるかなと思うので、そういう意味でもすごくやる気に満ちています。
あとは自分も今回、お話をいただいた「00000JAPAN」を知ったので、そういう立場だからこそ「一緒に勉強していきましょうよ」という形で、まだ00000JAPANを知らない方にいろいろお伝えしていけたらなと思っているのです。共に学びながら知っていきましょうという気持ちで頑張ろうと思います。よろしくお願いします。
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