海外情報
Wi-Fi6/6Eが市場浸透率50%を超える
岩本 賢二
昨今、半導体不足や物流の混乱によりIT製品の出荷の伸びが悪いと噂されていますが、実際にWi-Fi市場ではどうなのか? Wi-Fi Allianceが市場動向について発表したので紹介します。
Wi-Fi Allianceによると、2022年に出荷されるWi-Fi6/6E製品はなんと23億台に達すると予想されているそうです。そのうちWi-Fi6E対応は3億5000万台。Wi-Fi Allianceは機器同士の相互接続を保証するために機器の認定事業を行っていますが、現在までに3000を超える機器がWi-Fi6/6Eの認定を受けており、その中でWi-Fi6Eについては400台だそうです。これらの認定機器にはアクセスポイントだけではなく、ラップトップ、スマートホン、ルーターが含まれています。
特に注目すべきはWi-Fi6/6Eの浸透率です。Wi-Fi5は市場の50%の浸透率になるのに4年間が必要でしたが、Wi-Fi6/6Eは既に3年で市場浸透率50%を達成したそうです。2025年までにはWi-Fi6/6Eの市場浸透率はなんと80%を超えると予想されています。
この急速な普及の理由には多くの要素が考えられますが、Wi-Fi AllianceのマーケティングSVPのKevin Robinson氏によれば、Wi-Fi6のリリース2で利用可能になったマルチユーザーMIMOが起因していると考えているようです。マルチユーザーMIMOは複数のユーザーが空間多重を利用して同時通信することが可能であるため、多人数接続で安定した通信を提供することが可能となります。
Wi-Fi AllianceのマーケティングSVP Kevin Robinson氏
さらにWi-Fi6/6Eの普及を推進する要素が6GHz帯の追加です。既に60カ国以上がWi-Fiに6GHz帯を割り当てるかもしくは検討を実施中です。これは次世代のWi-Fi7では6GHz帯がほぼ必須となることを踏まえると正しい流れです。6GHz帯の追加により、Wi-Fi経由でさらに大量のトラフィックを利用することが可能になり、集合住宅などにおいても多数のチャネルを利用することで安定的に通信することが可能になります。普及端末数で見ると他の通信機器に比べて圧倒的に数の多いWi-Fi製品には古い斜陽メディアよりも優先して周波数が割り当てられるべきで、それは結果的に経済の発展をもたらします。
参考:
https://www.wi-fi.org/news-events/newsroom/wi-fi-6-and-wi-fi-6e-drive-global-market-opportunities
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