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年頭のご挨拶

一般社団法人 無線LANビジネス推進連絡会 会長 北條博史

 

 

 

新年あけましておめでとうございます。
会員の皆様には平素よりWi-Bizの活動に対してご支援・ご協力いただきありがとうございます。

本年は、新型コロナウィルス感染の第8波の最中でのスタートとなりましたが、感染を気にしつつも経済活動は徐々に制限のない形にもどりつつあります。このパンデミックが後押しする形となり、働き方改革の一つのハードルであったテレワークの普及が一気に進み、今後、ニューノーマルでの新しい働き方が定着していくものと思います。

今年は無線LANについては大きな節目となるタイミングであり、これまで拡大してきたモバイルオフロードとしての公衆無線LANの活用が、5Gの普及とともに一段落し、プライベートネットワークに無線LANを含む各種ワイヤレスが普及・拡大していくフェーズに移行しつつあります。

そのはずみとなるのが、昨年9月に相次いで承認された6GHz帯へのWi-Fi 6Eの割り当てと、920MHz帯へのWi-Fi HaLow(802.11ah)の割り当てです。これらの無線方式は、プラベートネットワークを設計、導入するにあたり、VR/ARなどには必須となる広帯域通信や、あるいはIoTとして多様なセンサーデータの集約などの利用用途には欠かせない方式であり、ローカル5Gを加えることで多様なユーザーニーズに応えることのできるプライベートワークを構成、実現していくことが期待されます。

特に、Wi-Fi HaLowについては、まずは農業や水産業など一次産業への活用や、工場などの二次産業から普及が始まるものと思いますが、オフィスや家庭にも適用できる方式であり、920MHz帯に加えて新たな周波数の割り当ても期待されています。

従来のWi-Fiファミリとして2.4GHz/5GHz帯に加えて、6GHz帯、920MHz帯、さらには60GHz(802.11ad/ay)、そして新たな枠組みであるローカル5Gを組み合わせることができれば、単なるモバイルトラフィックのオフロードということではなく、端末を最適なワイヤレス手段でプライベートネットワークに接続し、さらにプライベートネットワークを光ファイバで有機的に接続することにより、新たな広域ネットワーク、さらにはグローバルネットワークへ発展する可能性を秘めていると言えます(インターネットの本来の構成です)。

Wi-Bizとしてはこのような流れを後押しするために、今年はWi-Fi 6EやWi-Fi HaLowの商品化及び市場への普及を推進するために、その利用実態や利点を生かしたユースケースなどを紹介するセミナー、勉強会の開催など、いろいろな施策を進めていきたいと思っています。特にWi-Fi HaLowについては引き続き802.11ah推進協議会と連携して推進します。

一方、知名度が高まってきた災害用統一SSID「00000JAPAN」については、引き続き広報活動を進めるとともに、モバイルキャリアの設置したアクセスポイントのみに頼ることなく、自治体のみならずプライベートエリアでの多様な設置形態にも対応できるように新たな施策を進めていきたいと考えております。

また、官公庁関連では、現在、内閣府や総務省で進められているデジタル田園都市国家構想に基づく地域のデジタル活用の取り組みに対しても、取り組みに使われるワイヤレスは、ローカル5Gをはじめとして、Wi-Fi 6EやWi-Fi HaLowなどの新しい方式をベースにしているため、それが会員の皆様のビジネスにつながるように積極的に周知、広報するとともに、必要に応じて、Wi-Bizとして、普及活動や調査などの受託業務につながる体制も継続していきたいと考えております。

最後に、おかげさまで、団体設立以来10回目(一般社団法人に移行してからは4回目)の新年を無事迎えることができました。コロナ感染が落ち着いた段階で、10周年の記念行事の開催を計画しております。コロナの影響で、しばらくの間、会員間のコミュニケーションの機会を十分に作ることができませんでしたので、今年こそは、ニューノーマル時代としてのリアルイベントの開催を積極的に進めたいと思います。

本年も、皆様とともにWi-Fiビジネスの拡大に向け精一杯取り組みたいと思いますので、引き続き皆様からの変わらぬご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

 


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