活動報告
「電波法基準認証制度セミナー」を開催
新たなWi-Fiファミリーの制度整備を学ぶ
企画・運用委員会 副委員長 石川 裕昭
1月20日、企画・運用委員会主催で「電波法基準認証制度セミナー ~無線LAN等の技適マークについて~」をテーマとしたセミナーをオンライン開催しました。
今回のセミナーは、一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター(以下、TELEC)ビジネス推進部 お客様相談室の多田隆一様をお招きし、電波法に基づく基準認証制度として、特に無線LANに関係する内容と新たな6GHz帯無線LANなどに重点をおいた講演を行っていただきました。
セミナーには約70名の方が参加され、講演後のアンケートでは多くの質問を頂き、新たな周波数帯の無線LANへの期待の高さが伺えました。
冒頭、吉田企画・運用委員会委員長から、「今年度から新たに制度整備された6GHz帯無線LAN及び920MHz帯802.11ahを含めたWi-Fiファミリーの早期の普及促進をして行きたいと」セミナーテーマの説明を受け、「Wi-Fi 6EおよびWi-Fi-HaLowの技術基準を学ぶと共に、その基準認証制度の運用方法、試験法、取得後の留意点を知る良い機会にしたい」として、講師のTELEC多田様をご紹介しました。
多田講師は、長年のTELECで技適・認証関連の業務に携わられているご経験から、上記目的に合わせた4項目の講演を頂きました。
1 電波法とは
まず始めに、電波の利用ルールを定めた法律として電波法の概要と無線局の免許制度を説明頂き、無線免許が必要となる対象を確認しました。
対象とする無線局の4分類、①無線LAN・ブルートゥース等/②業務用無線機・携帯電話端末・携帯電話基地局等/③放送局・固定局/④微弱無線機器の無線設備の製造、輸入業者などが無線局の運用に至るまでに必要な手続きとして、①②には登録証明機関の「技術基準適合証明(技適)」または「工事設計認証(認証)」の取得し製品に必要な表示を行うことで運用が認可され、③は総務大臣への免許申請、免許取得のプロセスとなります。④は微弱電力に適用された免許不要とする無線局。
2 基準認証制度
電波法および基づく省令にある「技適」と「認証」の二つの違いを紹介。技適は製品1台ずつ申請書類と共に試験審査し認可。一方、認証は、申請書類に加え品質管理体制など設計と1台を試験審査し、製造台数に制限なく効力を持つこと、認証には工事設計合致の義務や製造の検査記録保存義務が伴うと共に重要な認証後の後留意点として、工事設計認証の3原則を確認しました。
次に、無線LANの認証関連を解説されました。
基準認証制度の特定無線整備の種別に新たに(令和4年9月)6GHz帯のWi-Fi 6E VLP(屋内及び屋外 EIRP25mW以下)の種別は第79号、Wi-Fi 6E LPI (屋内限定EIRP25-200mW以下)は第80号として追加され、 無線LANの2.4GHz帯(第19号)、5.2~5.6GHz帯(第19号の3)とは別の新たな種別になること、また、920MHz帯Wi-Fi HaLowは種別第8号としているとの説明がありました。
製造・輸入業者としては大変気になる、同製品、取扱説明書への技適マーク表示の規定では、従来より「複合同番」として同一筐体内(モジュール)の複数種別の無線設備を一の認証番号に統合も可能としており、「同番認証」とした認証済み無線設備の変更工事を伴わない認証を再取得した場合は、同一番号とすることを可能としているが、“同一認証番号とする場合のガイドライン※1“に該当が条件なので確認してくださいと注意を促して頂きました。
※1「総務省 電波利用ホームページ|基準認証制度|ICCJ関連資料集(soumu.go.jp)」
また、6GHz帯無線LAN、5.2GHz帯無線LAN(自動車内)および特定小電力機器920MHz帯データ伝送等(Wi-Fi HaLow)の技術基準の概要を紹介。
新しいWi-Fiファミリーを商品化する際に守るべき技術的条件(一部案を含む)を学びました。
3 基準不適合機器の流出抑止
販売、流通における不適用品の抑止に向けて、電波法にある基準不適合設備に関する勧告、公表制度に基づく発動事例の紹介をされ、総務省より発信されているガイドライン※2について学びました。
また、総務省の電波利用のホームぺージに無線設備の電波法に関する相談窓口が22年4月より開設されたとのご紹介も頂きました。
※2「総務省 電波利用ホームページ|電波監視|技術基準に適合しない無線設備(基準不適合設備)(soumu.go.jp)」
4 技適・認証に関する各種情報
最後に、本日ご紹介頂いた基準認証制度などに関しTELECホームページ※3からの個別相談・問合せフォームの受付けをご紹介頂き、セミナーを締め括りました。
※3 https://www.telec.or.jp/
参加者の事後アンケートでは、「普段仕事で接する無線局の技適、認証制度に関して改めて整理できた」「最新のWi-Fi 6E、HaLowの技術的基準を知ることができ、今後の商品化に役立だった」など多くの声を頂きました。
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