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活動報告 第16回技術セミナー
「Wi-Fi トラブルシューティングとプラスワン」をテーマに
オンライン開催
技術・調査委員会 本橋 篤
年度末が迫る3月17日、16回目となる技術セミナーとして、「Wi-Fi トラブルシューティングとプラスワン ー早くトラブルを片付けておうちに帰りたいー」をテーマに開催しました。
今回は、4名の講演者に登壇頂き、司会は技術・調査委員会の小松直人委員長が務め、株式会社ビーマップ様の会議室をお借りして、オンライン形式で実施しました。
Wi-Fiの新規格のような派手さの無い、ある意味地味なテーマである「トラブルシューティング」をメインに据えたセミナーということで、どの位の人数の方に参加頂けるのか一抹の不安もありましたが、ふたを開けてみると150名以上の方に聴講頂くことができ、Wi-Fiトラブルシューティングへの関心の高さを垣間見る結果となりました。
会長挨拶
冒頭、北條 博史会長から挨拶があり、150名以上の参加登録を頂いていることの紹介がありました。
また、Wi-Bizは1月に設立10周年を迎え、6月の総会後には10周年記念式典の開催を予定していること、その直前の5月下旬のワイヤレスジャパンに802.11ah推進協議会(AHPC)と共同で出展を予定していることの説明があり、来場の呼びかけを行いました。
Wi-Fi トラブルシューティング ー早くトラブルを片付けておうちに帰りたいー
◆ ヤマハ株式会社の事例
Wi-Fi トラブルシューティングのトップバッターとして、ヤマハ株式会社 音響事業本部コミュニケーション事業部CC開発部 ネットワークソフトグループ主任の鈴木 俊太朗様に「ネットワークトラブルに対するヤマハネットワーク機器のアプローチ」と題して講演頂きました。
「トラブルレス」にネットワーク構築・保守運用するための3つのアプローチの紹介があり、
(1)豊富・日本語でわかりやすい情報公開として、設計に役立つホワイトペーパーと技術資料の取り組み、
(2)気軽に相談できるサポート体制・コミュニティづくりとして、無償の「LAN構築相談窓口」や「お客様ご相談センター」、「ヤマハネットワークエンジニア会(YNE)」の紹介、
(3)手軽に運用できる機能開発として、無線環境を学習し最適化することでトラブルを未然に防ぐ「Radio Optimization機能」や、LANや無線LANを可視化する「LANマップ」、「無線LAN見える化ツール」を使用したトラブルシューティングの事例が紹介されました。
◆ 富士通株式会社の事例
2番目は、富士通株式会社インフラストラクチャシステム事業本部 エンタプライズネットワーク事業部 ネットワーク企画部の塚本 潤様に「無線LANトラブルシューティングを簡単にするためのアプローチ」と題して講演頂きました。
富士通が考える3つのアプローチとして、
(1)トラブルを簡単に解決する として、SEのトラブル解析ノウハウを自動化し障害を自動診断する技術を開発したエピソードと集中管理機能「スマートワイヤレスマネージャ」への実装、
(2)トラブルを未然に防ぐ として、レーダ波が定常使用するチャネルを学習し自動的に除外する機能、
(3)トラブルの被害を小さくする として、認証サーバとの通信トラブル発生時にEAP→PSKに自動切換する機能や、ソフトウェアの更新が失敗しても装置が自動復旧する機能が紹介されました。
◆ 日本ヒューレット・パッカード合同会社の事例
3番目は、日本ヒューレット・パッカード合同会社 アルバ事業統括本部 プリセールスエンジニアの山田 雅之様に「Aruba トラブルシューティング」と題して講演頂きました。
トラブルシューティングで重要な、情報収集~問題切り分け~被疑箇所絞り込み~原因特定を支援するためのツールとして、各拠点ネットワーク状況の可視化や、問題発生を防止するAI Insights、問題を早期に解決するAI Assist、情報を迅速に把握するAI Searchと呼ばれるAIOpsの3つの機能を搭載し、自動的な無線キャプチャなどを行うことで、運用担当者に代わってAIが問題の検知/原因分析/対応策の提示を実施する「Aruba Central」と、オンサイトに配置されたセンサーを用いて様々なテストを継続的に行うことにより、ユーザ視点での問題点を可視化する「UXI (User Experience Insight)」の紹介がありました。
◆ シスコシステムズ合同会社の事例
トラブルシューティングのセッションの最後は、シスコシステムズ合同会社 システムエンジニアリングエンタープライズネットワーキング マネージャの上岡 昌人様に「Cisco トラブルシューティング」と題して講演頂きました。
デバイスから多くのデータを提供し、分析結果から潜在化していたネットワークの異常に気付くことが可能な「Cisco DNA Center」を支える機能として、時間を遡って問題箇所を確認できる「デバイス360」、対応案の提示とログ自動取得ができる「Suggested Actions」、無線パケットの自動取得ができる「インテリジェントキャプチャ」、TAC の知識・経験を加味し傾向分析を行うことで、プロアクティブに無線環境改善に取り組める「AI Cloud」、立体的な電波の可視化が可能な「3Dマップ」が紹介されました。
プラスワン・Wi-Fiアクセスポイントの活用 あたらしいユースケース
海外では人気の機能でも日本ではあまりなじみのない機能、ぜひ使ってもらいたい、便利な機能などを紹介するプラスワンのセッションに移りました。
◆ シスコシステムズ合同会社の事例
プラスワンの1番目は、シスコシステムズ合同会社の上岡 昌人様に「OpenRoamingとSmart Workspace」と題して講演頂きました。
アクセスプロバイダーとIDプロバイダーの仲介を行うことで、ゲストを安全に認証し、ローミングを実現する無線LANローミング基盤「OpenRoaming」と、オフィス勤務者が働きたい場所の混雑情報や快適度を利用者に提供する「Smart Workplaces」の紹介がありました。
◆ 日本ヒューレット・パッカード合同会社の事例
プラスワンの2番目は、日本ヒューレット・パッカード合同会社の山田 雅之様に「IoT Gateway」と題して講演頂きました。
アクセスポイントにIoTの無線インタフェースを接続しIoT GateWayとして使用することで、位置情報管理や、スーパーなどの電子棚札、スマートロック、各種センサー連携による環境情報のモニターなど、様々な事例の紹介がありました。
QAセッション
最後に、「QAセッション」として、技術・調査委員会副委員長の本橋 篤が司会を担当し、講演中に頂いた質問に対して、登壇者の皆様に回答頂きました。
会場の北條会長からも質問が出るなど、終始和やかな雰囲気でQAが続き、最後の質問には小松 直人委員長にも回答頂くことで、セミナーを終了しました。
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