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対談
北條会長  vs  向吉理事 
2024のWi-Fi市場を展望する
OpenRoaming、Wi-Fi7、11ahが普及の飛躍点に

2024年を迎え、どのようにWi-Fiビジネスを進めていくのか、またWi-Bizの課題は何か、北條博史会長
(NTT BP)と向吉智樹理事(Wi2:ワイヤ・アンド・ワイヤレス)の対談を行いました。OpenRoaming、Wi-Fi7、11ahを中心に、今年のWi-Fi業界のビジネス展望が論議されました。

 

 

 

OpenRoamingのインパクトとメリット

—-今年のWi-Fi業界ではいくつの重要テーマがありますが、OpenRoamingの関心が非常に高いですね。

北條 やはり今年はOpenRoamingが大きなテーマになると思います。

向吉 キャリア系Wi-Fiが現状維持か縮小の傾向のなかで、OpenRoamingはWi-Fiを維持・拡大していくためのすごく有効なツールという位置付けでいます。

北條 注目度が極めて高いですね。

向吉 私たちも新しい技術動向については当然見ている中で、当初よりOpenRoamingに注力していたわけではないんですけど、東京都が採用するということを契機に、舵を切って、取り組みを強化しています。全体的に利便性の上がる話なので、業界としてビジネスが拡大する有効なツールになり得るのではないかと思っています。弊社は、他の自治体にもどんどん提案をしていて、今週、京都市のプレスも出させていただきました。

—-京都市のOpenRoaming採用が決定したわけですね。

向吉 京都市以外にも、函館市もプレス発表していますし、いくつかの自治体で内諾いただいています。全国に広がっていけばいいと思い、提案を進めている状況です。

北條 私も、会長の立場として、OpenRoamingにはとても期待をしています。Wi-Fiはセキュリティについていろいろ言われてきていますが、新しい認証方式でその問題がなくなるというのは、非常に有効なツールだと思っています。
日本の1番目の都市の東京がスタートしたということは、地方の有力都市は東京を追従してやっていくことが十分に考えられるので、ぜひそれを円滑に進められるようにやっていきたいという思いです。
ただ、ビジネスの普及には、認証にかかるコストを誰がどのように負担するのかという問題があり、その解決が必要です。以前も、W-Bizで「EAP認証で統一してやりましょう」という話があったのですが、結局、認証サーバーやユーザー管理のコストを誰が払うのかというところで息切れしてしまって、ビジネスにならなかったということがあります。
大都市のお金に余裕があるところだけがやるようになってしまうと、全国展開というわけにいかないので、「ビジネスモデルを構築するようなことを並行して考えたほうがいい」ということを東京都には申し上げています。それについては「その通りだ」とおっしゃっていただいています。
それから、災害用のSSID「00000JAPAN」もWi-Bizとして推進していますが、「00000JAPAN」は認証も何もないから、そこにいる外国人でもインバウンドの方でも使っていただけるというメリットがあるので、それは最低限、両翼として残しておかないといけないと思っています。

向吉 私もOpenRoamingと「00000JAPAN」は全然目的が違いますので、これは併存しなければいけないものだと思っています。

北條 これまでは、キャリアがキャリアWi-Fiをやり、並行して「00000JAPAN」も吹いてくれた。「00000JAPAN」のコストはキャリアWi-Fiの中に含まれているので、比較的簡単に進みました。今回も能登半島地震で一斉に発動しましたが、まさにその仕組みになっていることなんですね。
OpenRoamingの場合は自治体がお金を出して、なおかつそれに並行した形で「00000JAPAN」を吹かなければいけない。セットでやっていかなければいけないということがあるので、これから、それに考慮しながらやっていく必要があると思っています。

向吉 東京都も京都市も、我々が今、認証を運用していますので、必要最小限の経費を運用の対価として頂戴するようなモデルにはしています。ただ、自治体によって財源が全然違いますので、もう少し普及が広まってルーラルになったときに、ちゃんと全体的に運用できるようになるのか、もう少し別の世界が出きてくるのか、まだ検討の余地があると思っています。

北條 もう1つ気になる点はローミングです。OpenRoamingというだけあって、例えば東京都とか、今のCityroamとか、eduroamとか、そういったものとローミングをする。それがインターナショナルにローミングを始めると、いろいろな人が入ってくることになります。具体例でいうと、例えばeduroamと東京都のローミングが連携をすると、地方大学に多くの訪問者が入ってきてWi-Fiをがんがん使い始める可能性があります。しかし、もともと大学のeduroamのインフラはボランティアで運用されていて、容量も十分でないため、大勢の人が入ってくるからと言って増強するお金がありません。OpenRoamingのネットワークは、同じようなユーザー規模だと問題ないのですが、それぞれが持っているお金と対象ユーザーが異なると、非対称となり、困るところが出てきます。
仮に、今、ドコモと楽天とがローミングしたら、得するのは楽天になるのと同じで、そういうところの整理も必要です。今はお金のやり取りを一切していませんので、お金のやり取りも含めて整理をしておかないと、ローミングしてから後で「そんなことは聞いてなかった」と入場制限するとかになると、OpenRoamingはメリットがなくなってしまいます。そのあたりを考えた上でビジネス展開をしていかなければいけないと思っています。

向吉 そうですね。我々も東京マラソンとかの実証試験で東京都のAPを見ると、AT&TのIDが相当入ってきています。だけど、まだ今は黎明期なので大きな問題にはなりませんが、そういうところにも備えていろいろと検討していかないといけない課題と認識しています。

北條 もともとOpenRoamingのプロトコルの中には課金というプロトコルがあって、やり取りをする仕組みはあるんですけど、それを導入すると基本コストがぐっと上がってしまうので、簡単には入れられないと思います。

向吉 「ユーザーの利便性を高めるものだからエンドユーザから金を取っちゃいけないよ」というポリシー的なものがありますので、OpenRoamingが本当に隅々まで普及していくような時代になってきたら、国として経済的な支援を頂けないのかが必要になるかもしれないですね。

北條 そういうところに持っていきたいということはありますね。

向吉 情報リテラシーの格差をなくすというテーマは国としてやらなければいけない課題ですし、我々がローカルでWi-Fiの引き合いをいただいているときも、高齢者のコミュニケーションの場とか、リテラシーの低い人、弱者を情報格差に置いていけないという「情報のセーフティネット」のパターンも実際にあります。まずは大都市でしっかり基盤をつくって、その後、隅々まで広げていくときに、皆さんと意見を交わしながら業界全体的な動きが出てくると思っています。ただ、まずは広がらないと意味がないので、いろいろと感触を得ていこうというのが現時点だと思っています。

 

向吉 智樹理事

 

OpenRoamingが新しいWi-Fiを拓く

向吉 やはり、今課題なのは、OpenRoamingの認知度の問題です。私たちも、ついこの間までは「OpenRoamingって何だっけ」みたいな状態だったと思います。この1年で社内でも勉強して、説明できるところまでにはしましたが、一般ユーザーはまだ全然知らないわけで、これからユーザーに利便性を訴える状況だと思います。
グローバルの共通認証プラットフォームの利便性が前面に出るんですけど、Wi-Fi業界としては最も基本はセキュリティだと思います。セキュリティが担保できていることが、Wi-Fiとしてはものすごく大きいと思っています。ですから、この2つのメリットを、徹底的に訴求し、ユーザーに「じゃあ、使ってみようかな」と思ってもらえるようにすることが一番の今年の課題だと思っています。

北條 Wi-Fiは2010年ぐらいからAPをどんどん打ってきて、5年ごとに新しい方式が出て更改されていくのですが、11nなど古いAPが意外に残っているんです。自治体は政府の補助金で設置したところが多く、維持費は自前で払っているのですが、次の更改費用が払えない。OpenRoamingは古い11nは対応しておらず、別物の扱いになるので、新たに補助金が出せるという意味ではちょうど切り替えるいい機会になり、タイミング的にはいいと思います。しかも11axは6GHz対応が出るタイミングなので、ここで一気に広げていき更改するのによいと思います。

–OpenRoamingは「新しいWi-Fi」という新局面に入るという大チャンスですね。

向吉 コロナ禍で社会環境が変わり、Wi-Fiビジネスも変化するなかで、我々もいろいろな取り組みをやってきたわけですが、今回はOpenRoamingといういいツールが見つかり、ユーザーの利便性が向上しセキュリティも確保され、Wi-Fiの本来のメリットだった安くて高速で安心・安全、便利ということが一気に実現されるので、これは活用しない手はないと思っています。

北條 昔の低速のAPはOpenRoamingに対応してないので、Passpointという技術に対応する最近の新しいAPに切り替えれば、セキュリティが担保されるということに加えて、以前より遥かに高速になります。

向吉 Wi-Fiの設備更改のいいタイミングなので、機能面含め、お客様に理解いただけるようにメリットを訴求していかないといけないですね。

OpenRoamingの課題

北條 ただ、先ほど申し上げたように、ビジネスが続く形に持っていこうとすると、「お金を誰が出すのか」がポイントになります。1つは今までのフリーWi-Fiの場合、認証はそれぞれローカルエリアで認証していたので、比較的簡単に誰がどこに行ったとか、どこからどこのAPに行ったかなどが分かります。しかし今回のOpenRoamingでは、認証だけは問い合わせが大本のサーバーにいくので、細かな情報は認証サーバーを管理する人からもらうことが必要になる。結果として、契約してデータをもらうような位置付けになったりするので、「APの設備は自分たちが出しているのにデータ取得に金が必要になるってどういうこと?」みたいなことになりはしないかというのが、心配なところです。そこもルール作りをやりながら進めていく必要がある。

向吉 今のところデータの扱い自体はWBAという運用管理団体もいますので、「データの扱いとか属性情報をどうするのか」というテーマとしてアップしているのですが、ガイドライン的なものは出ていない状況なので、そういう動きを見ながら検討することになると思います。

北條 昨日を増やせば増やすほどネットワークおよびサーバーのコストアップにつながるので、ここは微妙なところなんです。

—-そこはプロバイダーにとって非常に大きな課題ですね。

向吉 そうですね。

北條 そういうビジネスをしている人たちにとっては死活問題になる。

向吉 そこは普及に伴うハードルでオーナーさんと丁寧にお話をする必要があると思っています。印象論で語られがちになってしまうところがあるので、「実際に属性情報まで必要とするような使い方をされていますか」というとそうでもないところがあります。APで人の数だけは分かるので、別に属性が分からなくてもいいところもあるわけです。密度を知りたいとか数をカウントしたいというのであれば、そこまで重たい連携はいらないんじゃないですかと。

—-オーナーによっては、そういう人もいるということですね。

向吉 お客様がどんなことをしたいかというやり取りの中で、丁寧に話を聞きながら対応をしていくしかないのかなと思っています。

—- OpenRoamingは今年はどういうところまでいくのでしょうか。

向吉 我々のほうで認証サービスを提供させていただいている自治体がいらっしゃいまして、その自治体にはほぼご案内している状況です。東京都が採用したことは自治体の方に浸透していて、問い合わせは結構来ます。OpenRoamingを理解されようとしているところで、あとは設備更改のタイミングと、予算時期の問題がありますので、その組み合わせで決まっていくと思います。

北條 まさに広げるフェーズだと思います。自治体の方々も、インバウンドが増え、住民サービスの向上、災害対策とありますからWi-Fiへの認識が強まっているので、タイミングとしては決して悪くないと思います。

Wi-Fi7と11ahは普及の飛躍点に

—-Wi-Fi 7の普及もテーマとなりますね。

向吉 Wi-Fi 7については、Wi-Fiの世代の進化なので、どこに適用するのが最適かいうふうに考えています。「セキュリティがないといけない」とか、「いろんなアプリが出ているから高速なものが欲しい」とか、ランドオーナー様の各業界におけるニーズがにお客様の利用目的が違うので合ったものを提案しなければいけない。ただ、Wi-Fiは「安かろう悪かろう」のままでなく、これをいかに変えるかが業界発展のための変革だろうと思っています。新しい技術なので、ちゃんと検証して、お客様からお声が掛かったときも、ちゃんと提供できるようにしていかないといけないと思っています。

—-機器代が高くなるという話がありましたが。

北條 Wi-Fiが最初に出たときと同じで、2.4GHzと5GHzのデュアルバンドと2.4GHz単独とではだいぶ値段が違ったんですが、今回のWi-Fi 7は、Wi-Fi 6Eもそうなんですけど、トライバンドなので、値段は同じにはならないんです。
新しいチップはそれほど数が出てないからそもそも高いというのはありますけど、11acから11axに上がったときは、そんなに時間を待たずに金額が同額になって、「どうせ買うならaxのほうがいいですよ」と言われたんですけど、今は明らかに値段が違うし、当面はその差が続くということで、お客さんがどうしても6GHzを使いたい、あるいはWi-Fi 6E・7を使いたいという要望がある方には売れると思いますが、そうじゃなければ、なかなか入れてもらえない状況ではないかと思います。

向吉 それもありますし、6GHz帯で運用するためにAFCという概念も入ってくるので、その辺を解決しないとね。

北條 AFCは大きな課題で、総務省も同じように課題にされています。アメリカではすでに入札が行われて運用業者が決まって、カナダは運用を開始したと聞いていますけど、誰がどの原資で動くのかというのがポイントです。ただ、安くできるようにソフトウェアをフリー化してAPやサーバーに簡単に入れたりできるようにはなっているので、やはりどうお金を取るかが課題です。「6GHz帯のAFCを使うAPから1台幾らいただきます」というように製品価格に転嫁するのが簡単なんですけど、当然ながら運用会社は先行的にサーバーを作らなきゃいけないから赤字からスタートするんです。

向吉 Wi-Fi 7は新しい規格が出たから採用してみたいとみんなから声が掛かるというよりは、世界的なトレンドを見ても、もう少し時間が掛かると思います。Wi-Fi 6とかWi-Fi 6Eで6GHz帯が使えるから、6Eがもう少し続くんじゃないのかと思っています。ただし、周波数の制限が日本はあって、今はインドアだけで屋外はだめと言われているので。

北條 ドーム球場みたいに周波数がたくさん要るところは使われるかもしれないけど、通常の利用でわざわざ6GHz帯を入れる理由があまりないですね。最近流行りのAR・VRとかを使うなら便利とは言っていますけれども。

向吉 Wi-Fi 7ぐらいのスペックになれば、ローカル5Gとほとんど遜色ないようなレベルまで来ているんです。だけど、「それって本当に誰が求めるの?」みたいなところがあります。

北條 「ローカル5Gを誰が求めるの?」と似ていますか。

向吉 それと同じようなところなので、普及はもう少し先なんじゃないのかなという感覚はあります。もちろん個別にゲームの対戦会場をつくりたいからリアルなものが欲しいとか、そういうニッチなニーズは出てくると思っていますが、面で全体的な動きといわれると、もう少し先かなと感じています。普及に際し、制限が多過ぎるという印象です。

北條 屋内限定は厳しいですね。

向吉 新しい規格をベンダーがAPとして出した後にデバイスに実装しないといけないじゃないですか。ここにかなりタイムラグが今までずっとあるんです。だから、Wi-Fi 7も早いグローバルベンダーだと年内にWi-Fi7のAPを出していますけど、PCとかiPhoneとか、いつ対応するの?というと、これまた先なので、結局は使う側が具備されないと普及はまだ時間がいるなと思うのです。

北條 Wi-Bizでは以前から技術・調査委員会でやっているんですけど、最初に機能は入れてあるけど、使えないようにしておいて、売った後、スイッチを開く方式にする。例えば6Eで6GHzのRFが入っているのなら、7に拡張するのはそれほど大したことはないんですが、今の日本のルールだとTELECの認証番号が必ず変わるので、シールを貼り換えるという作業があって手間がかかります。そういった制度も変えていかないといけないと思います。

向吉 今年度の普及という視点では、Wi-Fi 6EもWi-Fi 7もまだ限定的になっちゃうと思います。もう少し動きを見ないと。

11ahはメリット活かし規模拡大へ

—-11ahについてはどういう取り組みですか。

向吉 11ahはIoTのデバイスとの関連性とか、屋外での直線性・飛距離とか、凄く特徴的なものですのでちゃんと市場を見ればあるとは思うんですけど、うちは既存のビジネスにOpenRoamingに注力している関係で十分、取り組めていません。

北條 11ahはプライベート側に寄っているので、現在プライベート利用は盛り上がっていますが、キャリアWi-Fi系としてはこれからという側面がありますね。

—-モバイルキャリアはIoT向けのサービスはやっていますね。

向吉 モバイルキャリアの場合、IoTは車載型がメインです。ビジネスだけで考えると、薄利多売は言い過ぎですけど、何百万とか何十万というデバイスで初めてビジネスになると思っていて、我々がお客様のニーズを捉えて、「IoTで5拠点ぐらいやりましょう」といって「ahはいいね」と言われても、我々はいざ運用するとなると、やはり規模が大きくならないと難しいという側面がありますね。

北條 あるエリアをカバーするのに、例えば学校をカバーするのに、それこそGIGAスクールならWi-Fiを何十台と入れるんですけど、ahだったら1台入れるとカバーできてしまいます。ユーザーにとっては安くていいのですけど、例えば工事業者からしてみると一件の単価が下がってしまうことになります。そのために人を育成して、11ahの運用をさせてというのは、案件が拡大するというのが条件となります。

向吉 技術的には特化してとてもいい技術だと思っていますけど、大規模ビジネス契機やリソース踏まえて対応を検討する必要があると思ってます。

北條 11ahを用いた公衆無線LANとしては、新しい周波数の確保など、さらなる推進が必要だと思いますが、プライベート系では現在、補助金によるトライアルをはじめとして、いろいろなSI案件が多数行われるなど活発な活動が行われており、注目を集めています。802.11ah推進協議会の会員もさらに増えており、今後の拡大に期待が持てます。これらが普及してくれば、次ステップとしてWi-Fi 6やWi-Fi 7のチップの中にWi-Fiファミリである11ahが入ることになり、一気に普及していくことが期待されます。

 

北條 博史会長

 

ビジネス展望とWi-Bizの役割

—-今年2024年のビジネス全体を通して、どういう方向性でしょうか。

向吉 キャリアWi-Fiのところが縮小していくような傾向にあるので、我々としては直接インフラを構築して、できればもう少し上のビジネスまでお客様のソリューションをやっていけるように、地盤固めをしていくような年にしたいなと思っています。OpenRoamingはセキュリティと利便性でインフラを拡張できる有効なツールとして進めていきたいと思いますし、さらに業界に役に立つような価値をセットで提供できるようにしていきたいなと思っています。

北條 11ahもあるし、Wi-Fi 7もある、ローカル5Gもある、いろいろなワイヤレスの方式が勢ぞろいしました。エリアオーナーさんのいろいろな要望に対して、上位のアプリも含めて、下位のレイヤでしっかり支えて適切なアプリが運用できるように、そういう仕組みづくりをやっていきたいということは、NTTBPも同様のコンセプトを掲げているので、例えばある業界で「Wi-FiとHaLowを同じように横断的に入れましょう」というパッケージングができると、全国展開、横展開できる。そういうところに力を入れていきたいです。

向吉 そこは皆さん試行錯誤中なので、キラーコンテンツ、好事例が見つかっていけば、みんな目指していきます。

北條 最初に見つけた人は有利だと思いますけれども、横展開するときはみんなでやるということになるので、Wi-Fi業界が協力してやっていくのがいいのかなと、それがまたWi-Bizの仕事だなと思っています。

向吉 業界が連携してというのは大事で、OpenRoamingは本当にオープンな世界なので、独占ではなくて横並びで連携していくという仕組みなので、進めていきたいと思います。今までできたものは災害時の「00000JAPAN」ですよね。それにさらにプラスのものが生まれるといいなと思います。また、事業者をまたがって「Wi-Bizに入れば連携してこんなことができます」みたいなものに向けてWi-Bizの中で議論できれば、いいなと思っています。

 


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