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活動報告
「第5期定時社員総会」を東京で開催、決算・事業計画を承認

一般社団法人無線LANビジネス推進連絡会

6月11日、無線LANビジネス推進連絡会の第5期定時社員総会を開催しました。本年は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、都内会議室で、集合形式の開催となりました。

 

総会会場の様子

 

開催概要は以下の通りです。
・開催日時
令和6年6月11日(火)15:00~19:30
・開催場所
【特別講演・総会議事】
エッサム神田ホール1号館・3階大会議室
【懇親会】
エッサム神田ホール1号館・2階多目的ホール

北條会長の開会挨拶

冒頭、北條会長が次のように開催挨拶を行いました。

 

 

北條会長挨拶

 

Wi-Biz会長の北條です。いつも当連絡会の活動にご協力いただきありがとうございます。
Wi-Bizの設立から11年が経ちました。この間、会員のご支援により00000JAPANをはじめとした災害用Wi-Fiやインバウンド用Wi-Fiの普及に取り組んできました。
新型コロナ感染症の影響で、移動が制限されたことからパブリックWi-Fiは停滞し、一方、プライベートWi-Fiは在宅勤務の定着化により普及が進みました。この傾向はコロナが落ち着いても変わらず、いわゆるニューノーマルの時代に突入しました。Wi-Bizではこの流れを受けて、プライベート空間におけるワイヤレスネットワークの普及を目指しています。
2021年にはプライベートワイヤレスについての本を発刊、2023年10月にはνLabという検証する施設を立ち上げました。開設半年で来場者が1000名を超えました。
また、最近、東京都などの自治体がオープンローミングを採用し始めており、Wi-Bizもビジネスモデルを含め注目していきます。
昨年12月に日本でもWi-Fi 7が利用可能になりましたが、本格的な普及のためにはAFC利用を前提とした高出力化、屋外向けの6GHzの開放が重要と考えます。
AFC技術の実装にはクラウドにサーバが必要となることから、ビジネスモデルが重要となります。Wi-Bizとしても魅力的なビジネスモデル提案に取り組んで行きます。
続いてWi-Fi HaLowですが、姉妹団体である802.11ah推進協議会で取り組んでいただいていますが、先週開催されてCOMPUTEX台北2024で日台合同フォーラムを開催するなど、日本にとどまらない活発な活動を行っています。
また5月末に開催されてワイヤレスジャパンでも802.11ahとWi-Biz共同で出展し、Wi-Fi HaLowやWi-Fi 7の最新技術をアピールしました。3日間で来場者が1000名を超えると言う大きな反響がありました。
最後に無線技術の観点から市場を見ますと、現行周波数はひっ迫しており、6GやWi-Fi 8ではより高い周波数、例えばモバイルでは28GHz、アンライセンスでは60GHz(WiGig)も視野に入れないといけなと思います。

 

司会の櫻井副会長

 

司会は、櫻井会長がつとめました。

ご来賓の挨拶

総会に、次の5名のご来賓が駆け付けていただき、ご挨拶をいただきました。
* 総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課 課長 西潟 暢央様
(代理 同 インターネットドメイン利用推進官 関 裕介様)
* 総務省 情報流通行政局 地域通信振興課 課長 佐々木明彦様
* 総務省 サイバーセキュリティ統括官付参事官 酒井 雅之様
(代理 同 参事官補佐  山本 邦彦様)
* 総務省 総合通信基盤局 電波部 基幹通信室 室長  小倉 佳彦様
* 国土交通省 観光庁 外客受入担当 参事官  濵本 健司様

総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課 課長  西潟 暢央様
代理 同 インターネットドメイン利用推進官 関 裕介様のご挨拶

 

総務省 関様のご挨拶

 

無線LANビジネス推進連絡会はこれまで我が国の無線LANビジネスの発展に貢献してこられました。特に災害時に被災者にインターネット環境を無償で提供する00000JAPANの取り組みは2016年熊本地震、最近では、本年1月1日の能登半島地震で重要な役割を果たしました。情報通信インフラは、東日本大震災のころに比べ、より生活に不可欠なライフラインとなっています。一昔前は災害発生時、電話がつながらなくてもしようがないと言う感覚でしたが、能登半島地震では、スマホを握りしめて、安否確認や情報収集をする姿が多くみられました。こうした中で00000JAPANは震災時における被災者のかたの通信環境の確保に大きく貢献頂いています。1月に入って総務省でもXの公式アカウントを通じて対象エリア、利用方法、利用上の注意点など、周知を行わせていただいています
さて、最近東京都を中心としてオープンローミングという新しい取り組みが進められています。このような流れを加速すべく、貴連絡会も、今後の取り組みのあり方や方向性について議論をいただければと思います。

総務省 情報流通行政局 地域通信振興課 課長 佐々木明彦様のご挨拶

 

総務省 佐々木様のご挨拶

 

本日は第5期定時社員総会にお招きありがとうございます。地域通信振興課で取り組んでいる、地域デジタル基盤活用推進事業ですとか、情報流通行政局の中での、活力ある地域をどう実現させていくかなど、この後の講演ではお話しさせていただきます。Wi-Fi HaLow、Wi-Fi 7、Wi-Fi 6Eへの期待をご紹介させていただきます。皆様のお役に立てるように、ご説明させていただきたいと思います。宜しくお願い致します。

総務省 サイバーセキュリティ統括官付参事官  酒井 雅之様
代理 同 参事官補佐  山本 邦彦様のご挨拶

 

総務省 山本様のご挨拶

 

第5期総会、誠におめでとうございます。これまで、無線LANの普及、課題に関する取り組みをされるなど、無線LANの発展に大変貢献されました。改めて御礼申し上げます。
最近10年を見ますと無線LANを取り巻く状況は大きく変化しています。無線LANが普及してきた一方、機器へのサイバー攻撃、情報漏洩等の発生が問題となってきています。このため、無線LAN機器の利用、提供に関するガイドラインを策定し、この3月にも改定しました。提供する企業、または利用する方が認識すべき脅威、リスク、ルータに対して知っておいて欲しいことなどをわかりやすく書いています。
またこれに関連し、総務省では2019年からルータ等を含むIOT機器のために、NOTICE(National Operation Towards IoT Clean Environment)*という取り組みを開始しました。 乗っ取られた機器、またその恐れのある機器を調査し、追跡を行いました。一定の効果がありましたが調査だけでは不十分でした。そこで、4月より新たなプロジェクトを再始動しました。調査だけでなく、マルウエア感染に対する予防対策の推進、感染してしまった機器の対策の見直しの推進、IOT Bot netとそれに起因するサイバー攻撃の防止、低減をねらっていきます。皆様におかれましても、インターネットや無線LANの安心安全の維持向上に、引き続き、ご助力をいただけると幸いです。
https://notice.go.jp/

総務省 総合通信基盤局 電波部 基幹通信室 室長  小倉 佳彦様のご挨拶

 

総務省 小倉様のご挨拶

 

基幹通信室は、無線LAN、気象レーダなど無線設備に関する技術基準を担当しています。
Wi-Biz様には情報通信審議会の作業班にご参加いただくなど、ご協力に感謝しています。無線LANに関しては、昨年12月に制度が改正され、Wi-Fi 7(IEEE802.11be)が我が国において使用可能となり、また、今年1月からはWi-Fi AllianceによるWi-Fi 7認定も開始されました。国内企業を含む複数社が既にWi-Fi 7のルータを順次販売しています。これまで以上に高速、低遅延のWi-Fi 7の利用が進み、家庭での利用だけでなく、新たなサービス、イノベーションが起きることを期待しています。
また近年ドローン等で無線LANの技術が活用されてきています。現在2.4GHz帯の屋外上空利用が非常にひっ迫している状況です。このため5GHz帯の屋外上空利用のニーズが高まって来ています。5GHzでは高精細の画像伝送が可能ですので、橋梁等のインフラ点検、空撮、スマート農業などへの利用が期待されています。6月6日に情報通信技術分科会で審議を開始しました。今年度中を目途に、制度化をしていきたいと考えています。
本年2月に開催された、デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会のなかで Wi-Bizからも周波数共用について発表をいただきました。ありがとうございました。多くの皆様から期待の大きいAFCについても現在検証中です。無線LANの高度化を行う事により、無線LANのビジネスのさらなる発展に取り組んでいきたいと思います。

国土交通省 観光庁 外客受入担当 参事官   濵本 健司様のご挨拶

 

国交省 濵本様のご挨拶

 

外客受入担当というとインバウンド全般が対象と思われるかも知れませんが、インバウンドを受け入れる自治体や企業等のサポートをしています。今、メディア等で観光が良い面でも悪い面でも注目を集めています。コロナが明けてから、インバウンド需要は急速に回復しています。その消費額は、昨年の数字で、5兆円を突破し、さらに今年の第一四半期で1.8兆円になっているので、昨年、今年とも過去最高額を連続して達成する勢いです。インバウンド需要は政府統計上輸出の扱いになり、外貨の獲得につながります。現在日本は、貿易黒字から貿易赤字の状況になっており、5兆円を超える外貨を獲得できる産業は貴重です。観光産業は、貿易黒字化のためにも成長戦略の1つの柱となっています。
旅行者のストレスを取り除き快適に観光をしていただくためには貴連絡会の会員企業の各種Wi-Fiサービスがますます重要となっています。
見えてきた、1つの問題は、地域による格差です。宿泊数を見ますと、東京、大阪、名古屋の三大都市で全体の7割以上を占めます。そこで観光庁としては各省庁と連携して、地方にインバウンドを誘導する施策を取っています。またオーバツーリズムについても是正を図っていく必要もあります。このため、混雑情報の提供、魅力ある観光地情報提供、マナーの啓発についてデジタル技術を活用して発信をしています。まさに貴推進連絡会のWi-Fi技術がますます重要になっています。オーバツーリズム是正の活動に対しては、補正予算事業も行っています。
災害について先ほどから度々お話がありましたが、インバウンドも無縁ではありません。災害が発生した際に日本人では当たり前に対応できることができない場合があります。この為、観光版の危機管理計画策定をしています。緊急地震速報、熱中症アラートを無料で配信するアプリなどの展開も行っています。このような活動に対しても貴推進連絡会のご助力をお願い致します。

ご挨拶をいただいた5名の方の他に、3名の方がご来賓としてお越しいただいています。
総務省 データ通信課 入谷 忠久様
総務省 基幹通信室 出口 賢侑様
観光庁 長坂 亮様

特別講演「活力ある地域社会の実現に向けたデジタル利活用の推進」

続いて、特別講演「活力ある地域社会の実現に向けたデジタル利活用の推進」と題して、情報流通行政局 地域通信振興課 課長 佐々木 明彦 様からご講演をいただきました。

 

総務省 佐々木様の特別講演

 

佐々木様の特別講演の内容については、本号に講演抄録が掲載されていますので、そちらをご覧ください。

社員総会の議事

 

総会の様子

 

16時から、社員総会の議事が執り行われました。定足数は、議決権総数41のところ、議決権行使委任状を含め社員40名の参加となり総会成立を確認しました。議長は、定款に基づき北條会長が選任されました。
議事録署名人として、ワイヤ・アンド・ワイヤレスとビーマップが選任された後、議事に入り、次のように決議事項2件、報告事項2件について事務局長より説明がありました。

【決議事項】
第1号議案 第5期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)計算書類承認の件
第2号議案 理事選任の承認の件
【報告事項】
第5期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)事業報告の内容報告の件
第6期(2024年4月1日から2025年3月31日まで)事業計画の内容報告の件

決議事項について、すべて原案どおり満場一致で了承されました。総会の最後に、理事として承認されたシスコシステムズの高橋様より、理事就任のご挨拶がありました。その後、議長により閉会が宣言されました。

※ 第5期決算報告については、Wi-Bizホームページに電子公告(貸借対照表)を公開しています。

定時社員総会に続き第34回理事会が開催され、新しく理事に選任されたシスコシステムズの高橋敦理事が副会長に就任すること、また、会長に事故もしくは支障がある場合の会長職務代行者の順位について、櫻井副会長に続く2位に定めることが承認可決されました。

懇親会が盛況に

総会が開催されたエッサム神田1号館3階の会議場から一階下の多目的ホールに移り、総会、理事会に引き続き懇親会が開催されました。
懇親会直前に開催された第34回理事会で承認を受けた高橋副会長が司会を行いました。
懇親会は、北條会長のご挨拶で始まり、ご来賓のインターネットドメイン利用推進官関 裕介 様、データ通信課 入谷係長、基幹通信室 室長小倉 佳彦 様、基幹通信室 横出主査、電波部基幹通信室 出口 賢侑様の5名の方のご紹介がありました。

 

懇親会の様子

 

総勢50名を超える方にご参加をいただき、貴重な議論ができました。 中締めをビーマップの代表取締役社長の杉野 文則氏(Wi-Biz渉外・広報委員長)から行い閉会となりました。


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