技術情報
ドローンで利用できる無線帯域が拡張に

新技術導入促進委員会 松村副委員長

ドローンの利活用について、総務省・情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会で「ロボットにおける電波利用の高度化に関する技術的条件」として検討が進められています。
その動向を紹介します。

情報通信審議会は電波の利用に関する重要な事項を調査審議するところで、大学やメーカーの有識者で構成されています。
検討が進められたのは電波利用の高度化ということで、5km以上離れた上空を飛行しているドローンとの画像伝送・データ伝送や遠隔操作を目的の一つとしています。詳細については以下の陸上無線通信委員会報告(案)にまとめられています。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000183.html
http://www.soumu.go.jp/main_content/000397220.pdf

この中の、無線LANに関連する2.4GHzと5.7GHz帯域の利用について紹介します。

2.4Gは以下のように2483.5MHz~2497MHzでチャネルとしては10M帯域(1チャネル)と5M帯域(2チャネル)の2つのパターンを採用しており、出力は1Wと無線LANの200mWに比べ約5倍となり、利用できる距離は5km程度と考えられています。

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2.4GHz 帯における候補周波数帯(陸上無線委員会報告書(案))より

 

5.7Gは5650MHz~5755MHzの帯域を5MHzのチャネル幅システムと10M、20Mのシステムで利用します。最大で20MHzの帯域を利用するので最大で54Mbpsのデータ伝送速度を可能となり、リアルタイムな動画伝送も十分に可能となります。
5.7Gも出力を1Wとしており、利用範囲が5km程度となります。

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5.7GHz 帯における候補周波数帯(陸上無線委員会報告書(案))より

 

また、同一エリアで多数のドローンの利用を避けるため、利用者である無線局間を調整する団体が今後、立ち上げられることになります。
現状でドローンの飛行可能エリアはSORAPASS(ドローン専用飛行支援地図サービス)があり、住宅密集エリアや空港や港に隣接した飛行禁止エリアを確認することができます。
http://www.sorapass.com/map/accounts/about

今後、展開される2.4GHzは5.7GHzを出力1Wで利用する場合は、こうした飛行可能エリアの他に上で説明した、免許手続きや飛行許可手続きサービスが提供されてくると思われます。

ドローンの製品は現在、海外製品が主流となっており、ランキングが以下のサイトで紹介されています。
http://www.drone.jp/news/20160623152942.html

残念ながら日本ベンダーのドローンは20位までにランクインしていません。福島県ではロボットテストフィールドの検討が進んでおり、テスト飛行できる環境を整えつつありますが、まだ諸外国に比べると不十分ではないかと思います。

ここで一つ提案です、国内でドローンの開発やサービスを活発にするため、飛行訓練場所を増やしてはと思います。

テスト飛行に適したよい場所が多数あり、そこを利用してはと思います。私は土曜日の朝に出かけますが、ここでドローン飛行訓練ができるとよいなと思っています。

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