技術情報
回線フリーのスマホアプリ
無線LANビジネス推進連絡会会長 小林忠男
1999年4月にドコモから発売された、携帯電話とPHSそれぞれの優れた機能を1台で実現した「ドッチーモ」というマルチモード端末がありました。
PHSと携帯の両方の回線が使えるときはPHSで、どちらかしか使えないときは使える回線で電話をシームレスにすることが出来ました。
しかし、丁度その時に大ブレークが始まった「iモード」サービスにはPHS回線からつながることはできませんでした。
単に二つの無線回線のチップが一つの端末に搭載されただけの端末でした。それでも携帯とPHSがライバル関係で同じ土俵で競争していた当時にしては画期的な端末だったのです。
私が使っているiPhoneの画面です。約80のアプリを入れています。
これらのアプリは一度ダウンロードすればインターネットにつながっていなくても使えるものもありますが、大半はインターネットにつながっていることが必要です。
この場合、図4に示すようにLTEでもWi-Fiでもどちらの回線でもインターネットからそれぞれのクラウドにつながり使用することが出来ます。
今の人たちにとっては当たり前のことかもしれませんが、当時のPHSと携帯の複合端末の「ドッチーモ」では不可能でした。
スマホアプリのインターネット接続
さて、LTEでしかつながらないアプリ、Wi-Fiでしかつながらないアプリがあるでしょうか。
私の知る限りでは、LTEでしかつながらないというアプリを使ったことがありません(もし、ご存知の方がいらっしゃったら是非教えて下さい)。
Wi-Fiでしかつながらないアプリはあります。iPhoneのOSを更新するときはソフトの容量が大きいのでWi-Fi環境下でしかソフトの更新は出来ません。
LTE回線でも可能ですが、YouTubeなどの動画を楽しむときはWi-Fiの下で楽しむことが多いと思います。品質の高い映像を料金を気にすることなく楽しむことが出来ますから。
すべてのアプリは回線種別に関係なくつながるようになっています。皆さんがお使いになるスマホのアプリはLTEでもWi-Fiでも使えますので、Wi-Fiがある時はWi-Fiを使ったほうが快適に安上がりになるということです。
LTEやWi-Fiはインターネットからクラウドに行く土管の機能を果たしています。すべてのスマホのアプリが回線種別によらず、場所によらず、キャリアによらず、フリーWi-Fiの種別によらずつながるということは本当に素晴らしいことだと思います。
Wi-Fi市場の更なる拡大のため、ビジネスモデルを「量から質へ」変換することが求められる時代になりました。
これからはますますコンテンツがリッチになり、4Kや8K画像を多くの人たちが視聴するようになります。また、VRやARが業務や個人の楽しみのために本格的に普及します。
iMovieのようなアプリを誰もが使えるようになり、専門家でしかできなかった高画質の動画を誰でもが編集製作し、楽しむようになります。飛躍的にネットワークを飛び交う情報量が増えるということです。
送るのも受けるのも最後はワイヤレスが必要です。Wi-Fiでしか出来ないアプリがたくさんあると思います。
誰でもが知っている当たり前のことかもしれませんが一つ一つ地道に開発してみることが一番に近道かもしれません。
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